AIによって生成される作品は著作権によって保護されるか2/3

(注)本件記事は、2023年4月27日現在の情報をもとに作成しています。

 

著作権は、人間の知的な創作活動によって生み出される素材(コンテンツ、作品=著作物)を保護するものです。そこでは、著作物を生み出し、その独占的な権利(著作権)の主体となりうるのは、「人間(生身の人間)」であり、「動物」や「神」、「機械」など「人間にあらざる者」(non-humans)は、当然、「著作物を創作する者」すなわち「著作者」(an author)には当たらないと考えられています。この考え方は、著作権制度を有するすべての国で通用する、普遍的な考え方といっても差し支えありません。このような理由から、アメリカの裁判所においても、「著作者」は当然に「人間」(a human, a person, a human being)であることを前提に、著作権に関わる紛争が処理されています。

ここで、少し興味深い裁判例を紹介しましょう。連邦上訴裁判で争われたケースですが、「人間でない、霊的な(神的な)存在によって著作されたことばを含む本」(a book containing words authored by non-human spiritual beings)について、その作品の著作物性(要保護性)が論点となりました。裁判所は、「著作権法が保護を予定しているのは、神が創作したものではない」(It is not creations of divine beings that the copyright laws were intended to protect.)と述べて、「霊的な(神的な)存在によって著作されたことば」の部分の著作物性を否定しました。もっとも、作品全体については、「神の啓示を人間が選択し配列したところに創作性があれば」(if there is human selection and arrangement of the revelations)保護されるとした上で、当該作品について、著作権による(編集著作物としての)要保護性があると認定しました。また、別の裁判例では、動物は著作者の範疇から除外されているという解釈に立って、「サル」は自身がカメラを使って取った写真の著作権を登録することはできない、としたものがありました。

 

著作権局や裁判所が頻繁に使うことばの中に、”authorship”というものがあります。これは、「著作者性」と訳すことができますが、その実質は、「著作物は著作者が作成するものであるということ」あるいは「ある作品が著作権によって保護されるためには、その(創作性の)起源を人間に求めなければならない」(For a work to be copyrightable, it must owe its origin to a human being.)を含意しています。つまり、著作権局も裁判所も、「著作者性の要件(著作者は人間でなければならないという要件)」(the Human Authorship Requirement)を前提として著作権法を運用解釈しているのです。

 

著作権局の従来からの指針においても、著作権登録されるべき作品は人間による創作性のある作品に限られています。著作物における「創作性の起源を人間の作用」に求め、それが認められない素材(materials that do not owe their origin to a human agent)の登録を拒絶するのが従来からの一貫した実務です。もう少し具体的に言うと、「単に自然力や植物、動物によって生み出される素材は著作物性が認められない」(Materials produced solely by nature, by plants, or by animals are not copyrightable.)、「人間の寄与がない、機械的なプロセス又は無作為の選択によって生み出される作品は登録できない」(Works produced by mechanical processes or random selection without any contribution by a human author are not registrable.)との運用を堅持しています。最新の運用指針では、「著作者性のある作品であるためには、その作品が人間によって創作されたものでなければならない」(To qualify as a work of authorship a work must be created by a human being.)と明確に述べています。さらに、「人間の創作的なインプット(入力、援助)若しくは介在がなく、無作為に若しくは自動的に運転する機械又はそのような単なる機械的なプロセスによって生み出させる作品は登録しない」(The Office will not register works produced by a machine or mere mechanical process that operates randomly or automatically without any creative input or intervention from a human author.)とも言っています。

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