原題はvuelven=帰還、帰る、戻る。英題の「虎は何も恐れない」でもよかった。
映画でボロ泣きはいつ以来か。できたことがうれしい。させてくれた作品とこの出会いに感謝。
これを「誰も知らない」の是枝監督はどう観るだろう、と思った。
廃ビルの水たまりの錦鯉、燃えるグランドピアノの詩的な美。
何より子供たち。こんな演技がどうしたら出来るのか。とりわけシャイネの「昭和のカッコいいガキ大将」感たるや。この強さ。こんな役者どこにもいない。すごいなあすごいなあと彼のみならず子供たち皆に対しずっと呟いていた。
銃をぶら下げるように持ち歩きだすエストレイヤに、ああお願いだからそんなもの持たないでくれと本気で懇願した。作り手は間違いなくこの現実をよく知っている人。部外者としてでなく現場に生きるものとして。そういう、作家の魂の叫びが込められている。いや叫ばずとも自ずと魂から発される叫び、というべきか。
転がるような終盤は涙と嗚咽が止まらなかった。自分の中にも復讐心がありそれが共鳴したのか?むせびながらも考えていたが、それよりも、復讐を果たせてよかったね、ではないこんなにも哀しい復讐劇があるかということ、さらにその哀しすぎる復讐すらも実際には起こりえない”ファンタジー”、奇跡として描かれているということ。これはそういう魂の訴え。「コルチャック先生」のラスト、皆で笑顔で貨物列車から飛び出すあのシーンを連想する。(エストレイヤが扉を開けて踏み出す明るい草原)ないんだよ、こんなこと決して──という。焦燥、怒り、悲しみ。
国内評を見るに駄作ホラーと吐き捨てる信じがたいレビューが目につくが海外では違うはず、と海外評を見てみるとあるある。自分と似た見方が多数で安心。Googleレビューから翻訳を引用付記。多くの人が高く評価している模様。「最高の形をした真の芸術」に全く同意。
Daniel Gale
私にとってこれは完璧な映画であり、あらゆる面でバランスが取れています。物理的な恐怖の側面を超えて、少し調べてみると、根底にあるメッセージが本当に理解できるようになり、ぞっとすると同時に興味深いものになります。この映画の俳優/女優は、あたかも彼らの日常生活をただ撮影されているかのように、完全に本物に感じられます。それはあなたのあらゆる感情を引き裂き、最高の形をした真の芸術です。
私はあらゆる点でこの映画が大好きで、これらの素晴らしい俳優たちが望むなら、彼らのキャリアが成長していくのを見るのが待ちきれません。この映画はあまりお勧めできません。
Clara Dicks
この映画は私の心を引き裂き、それを元に戻し、そして再び引き裂きました(二度目はさらに悪質でした)。そして、それが真実なので、それが意味をなさないとしても私は気にしません。本当に悲しい映画ですが、タレントショーのシーンや、子供たちが新しい場所を見つけたり、サッカーボールを飾ったり、テレビの音楽に合わせて踊ったりするシーンなど、笑顔になれる心温まる瞬間が必ずあります。子どもたちはたくさんのことを経験しましたが、それでも幸せなことを見つけています。本当に甘いです。演技は素晴らしいです。ほとんどの子供たちは演技の経験がほとんどなかったり、演技の経験がまったくなかったりしましたが、全員がとても上手にそれをやり遂げました。また、時系列順に撮影され(これは珍しく、難しいことです)、子供たちには事前に台本を見せなかったので、彼らの感情は本物でした。それは本当に信じられないほどでした。そして、チノとティオ、そして他のすべてのワスカはとても脅威的です。幽霊や願いにもかかわらず、この映画には非常に根拠のあるリアリズムがあります。エストレヤと彼女の友人たち、そして彼らの両親に起こったことは、実際に世界中の人々に起こっていることを知ると、私は本当に打ちのめされます。それを知ることは壊滅的なことだ。虎は子供たちにとって勇気のモチーフのように育てられ続けています。彼らはトラについての話を聞かされ、モロ(子供の一人)はトラのぬいぐるみを持っていて、結末が何を意味するかはわかりませんが、トラが関係していました。これはとても素晴らしい映画なので、誰にでも強くお勧めします。でも、信じてください。ティッシュを持参してください。
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