とある青年が床屋にやってきました。


床屋はそばにいた子どもをちらっと眺めながら客にこう言いました。
「この子はとてもバカでね、あんまりバカだから良く恵んでやってるんだが、その愚かぶりを見せてあげよう」


そう言うと彼は、1枚の5ルピー硬貨と2枚の1ルピー硬貨を取り出し、その子の前に出して聞きました。
「さあ、どっちが欲しいんだ?」


その子は迷わずに1ルピー硬貨2枚の方を選び、去って行きました。


床屋はそれを見て満足そうに「言った通りだろう?」と客の青年に言いました。


散髪を終えた青年が店を去ると、さっきの子どもがアイスクリーム屋から出てくるのを見つけました。


彼は尋ねてみました。
「ちょっと聞いていいかい?何で君は5ルピーではなく、1ルピー2枚を選んだんだい?」


すると子どもはこう答えました。


「そりゃ5ルピーを取ったその瞬間に、ゲームオーバーだからさ」