今年の熱帯夜が続く、夏の夜の7日間にだけ起こった話をします。
俺のアパートはワンルームで部屋は3階でした。
東側だけに窓が付いていて、開け放して寝ていました。
不意に違和感から目を覚ましました。
ほんの少しだけ霊感のある俺は、何か人以外の気配を感じたのです。
同時に金縛りになりました。
目を開けるのが怖くて鼓動だけが激しくなっていくのがわかりました。
「ワンワンワン!」近所の犬が吠えました。その次の瞬間!
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」
部屋の中で叫び声が響きました。
声の主は南側の壁から北側の壁に抜けて移動していったように思えました。
そして静寂。
汗びっしょりで金縛りも解けて恐る恐る目を開けましたが、何もいませんでした。
勿論、部屋の南側にも北側にも窓はありません。第一、ここは3階です。
夢か…?その日はそう思ってそのまま寝ました。
24: 2/2:2012/06/16(土) 23:44:10.46 ID:AZa+oiGD0
だが、次の日も次の日も、同じことが起こりました。
俺はだんだん夜が怖くなってきました。
7日目の夜、俺は何が起きているのか見定めようと
布団には入らず、部屋の隅でうずくまっていました。
視線は、窓の外に向いていました。
月明かりは無いが、街頭の光は見えました。
午前2時を少し回った頃でした。
窓の外を白い影が横切った気がしました。
そして寒気。何かが近づいてくる気配を感じました。
「ワワンワン!」犬の鳴き声。来た!と思いました。
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」
叫びの主は壁の中から現れ、北側の壁に消えていきました。
後姿しか見えませんでしたが、そいつは明らかに人ではありませんでした。
全身、白装束に身を包み、明らかにバランスのおかしい巨大サイズの頭。
そしてハッキリと覚えています。
そいつの頭に3本の毛が生えていたことを…。