酒場の親父が客寄せのために、馬を店の前につないでこんな看板を出した。
『この馬を笑わせたら、一杯無料』
何人もの客が挑戦したが、馬を笑わせたものはいなかった。
ある日、見慣れない男がやってきて、馬の耳に何か話しかけると、
馬は歯をむき出しにして笑い出した。男はタダ酒を飲んで帰った。
次の日も、その次の日も、男は馬を笑わせてタダ酒を飲んで帰っていった。
酒場の親父は、これじゃ商売上がったりだと、看板を変えた。
『この馬を泣かせたら、一杯無料』
その日も男がやってきた。看板を見ると、親父に
「ちょっと、馬をトイレに連れていていいか?」
と言って、中に入っていった。
しばらくしてトイレから出てくると、馬は大粒の涙を流して泣いていた。
男がタダ酒飲んだ後、親父は男に聞いた。
「おまえ、どうやって馬を笑わせたんだ?」
「馬に、『俺のはお前のより大きい』って言ったんだ。」
「じゃ、どうやって泣かせた?」
「見せてやったんだ。」