夜の十時過ぎ、バスの中は私だけかと思っていた。
すると後ろから子供の話し声が聞こえた。
そうか、まだ他にも乗客がいたのか。


子供達は怪談話をしていた。


子供1「振り向くと幽霊があの世につれて行っちゃうんだって。」


ああ、この子達は良く帰りが一緒になる塾帰りの子だ


子供2「じゃあ振り向かなければいいんだね。簡単なことだ。」


子供1「それがね、絶対振り向いちゃうんだって。
  幽霊も振り向かせるために色々な方法を使うらしいんだ。」


もうすぐこの子達が降りるバス停だ。
二人は全く気づいていないようだ。
降り過ごして帰りが遅くなるのは可哀想だと思い、振り向いて声をかけた。

「君たちここで降りるんだろ?」


子供A「ほらね」