「おばちゃんね、ドラえもんの物真似ができるんだよ。」

「本当に?やってみせてよ!」
少年は初めて小さな笑顔を見せてくれた。

「…ノビ太くん、ジャイアンなんかに負けるな!僕がついてるよ・・!」
ふと見ると、少年の顔がうっすら雲っている。


「ドラえもんの声は、そんな変なガラガラ声じゃないよ。全然にてないじゃないか。うそつき!」
砂山をぐしゃりと潰し、走り去っていく少年。

彼女はその後を追いかけはしなかった。


「…僕、ドラえもん…」


あたりは暗くなり始めていたが、

のぶ代の背中を照らす夕日はいつまでも美しかった。