中2のときに新任の女先生を驚かそうってことになって、先生が体育館に一人でいたときに5人くらいで取り囲んだ。

プロレスの、足を持ち上げて宙でグルグル回すジャイアントスイングをしようとしてたんだけど、羽交い締めにしたときにキャァァァァァーって先生が悲鳴を上げて、バンッ!バンッ!バンッ!って感じで周囲の準備室の扉が開いて昼休み中の男の先生たちが飛び出してきた。


「お、お前らぁ!」ってもう生徒じゃなくて不審者を恫喝するときの表情だった。

「こ、この子たちがぁぁぁ」って羽交い締めにされていた先生も顔をグシャグシャにして叫んだ。

「僕達だけでは処理できない、校長を呼ばなければ」みたいなことを言って男の先生達が集まってくる。

なにか勘違いされてるのではと激しく感じていた。

ここは毅然とした言い訳をしなければならないと思った。

そして僕はグイッと一歩前に出てよく通る声で言った。



「僕たちはただ、先生を回そうとしていただけです」