ついにiPhoneが日本でも発売された。想像していたとおり、その人気ぶりはすごい。先行発売が行なわれた表参道の店舗には1500人を超える行列ができたという。携帯電話ひとつの発売にここまで人が動かされるというのも、なかなかないだろう。


じつは、その生みの親であるアップルコンピューターに仕事で訪問したことがある。2年ほど前だったろうか。わたし自身、アップルファンだ。iPodはもちろん、imacのユーザー。銀座のアップルストアができたときも、感激して訪れた。その憧れのメーカーへの訪問ということで、動機こそ不純であるものの、気合はたっぷり。事前準備もしっかりしたのを覚えている。


訪問しての感想は、「かっこいい」に尽きる。ライターのくせに、ボキャブラリーが乏しすぎるだろうか。だが、本当にシンプルにかっこいいのだ。なんといっても、遊びごころ豊かな雰囲気がアップルらしい。たとえば、会議室のネーミングにしても一風かわっている。また、マネージャークラスと思われる担当者はジーパンにティーシャツ姿。袖にはアップルのロゴ入りというのが粋じゃないか。


そこここに、どこか洗練されつつ、チャレンジしていくエネルギーが感じられた。そして、なによりも印象的だったのは、企業をつくる社員全員が「アップルコンピューター」というブランドを誇りに思っているということ。好きだから、こだわれる。好きだから、もっと良くしていきたい。メーカー企業としては、もっとも理想的な製品と創り手の関係が築かれているのではないだろうか。それこそが、アップルのブランド力を高め、次々と世の中を驚かす原動力となっているのだと感じた。