がたん、ごとん。

目の前にすべるように電車が止まった。


その、一両目。


イケメンらしきおとこを目視。


いつもは二両目に座るあたしだが

迷わず一両目に移動しはじめた。


だってイケメンですよ?

メガネですよ?


近距離でハァハァしたいじゃないですか!


見なきゃ損しちゃうよ!


ってことで、そりゃあもう 


あんなことやこんなこと妄想しながら


どんな顔をしてるだろうとわくわくしつつ移動。 


と、その手前にも


眼鏡男子!

しかも青フレーム!!

服のセンスとかバランスとかがすごくいい。

左耳に二つの

二つの

見覚えのあるピアス!!


あれ。


ん~?


イケメンに辿りつく一歩手前で


知り合いらしきやつに遭遇。


まぁ、こいつも好みだからいいか。


そしらぬふりをして視姦しようと、向かいの座席に座ろうとしたら


その青眼鏡青年が自分の左隣の座席を


ぽんぽん、と叩いてあたしをみる。


んぅ?


笑顔でぽんぽん、と叩く青眼鏡。


来いってか?ってか気づかれてぇらw


しょうがないなぁ。真向かいじゃないと出来ねぇじゃねぇかよ、視姦。


まぁ、あれだなお触りありってことか。


邪念で胸をいっぱいにしつつ


隣に座る。


「久しぶりだね~」


「そうだねぇ。」(乙女ボイス)


「2年ぶりぐらい?」


「うん。そのぐらいかなぁ。」(あー名前わっかんねぇ。)


……。


だらだらと話しつつ駅に到着。


が、乗り換えなければ自宅には帰ることができません。


同じ駅で降りることが判明したので


一緒に帰ろうと誘われる


目的の駅に到着

一緒に途中まで帰る

名残惜しくなってお互いにおくりあいっこ。

映画なんぞに誘われてみる。

映画に行く。

セントラルビルの屋上、展望台のところで告白される。


「付き合って欲しいんだ。ずっと前から憧れてて。」

「読んでる本とか真似して読んだんだよ。同じ世界観を知って同じものを見て、感じたかったから」


ほほぅ。


「付き合うってどういう?」(すっとぼけ。)


「うん。恋愛じゃない付き合いがしたいんだ。」


はぁ?


「キスしていい?」


ちょっとまてコラ。


恋愛じゃなくてキスがしたいってわけわかんないから。セフレかよっ!!


なんとか濁して逃げた。


その彼はあたしが大学のときの同じサークルのひとで

とても憧れているヒトだったからほいほいとついていったわけですが


いやぁ、人って変わるんだね。


その後も適当にほっといたら


アパートに行きたいとか

二時間半も駅で待っていたりとか


さんざんだったので関係を絶ちました。


あぁ。こんなことなら

一両目のイケメン以外に浮気しなきゃよかった。


(そういう問題でもないか。)