不妊治療をしていたとき、何がつらかったかと言えば翌月のカレンダーをめくるとき。

 

期待と不安が入り混じったぐちゃぐちゃな気持ちで毎月毎月傷つき、夫にもその悲しみをぶつけていた日々。

 

今回妊娠していたら、数か月先どうなっているかわからないから。

 

夫が「来月、○○にでかけようよ」と嬉しそうに言うと私はモヤモヤした。

 

未来の話なんてしないで。私が妊娠するかどうか毎月毎月時間がサラサラ過ぎ去っていくことにあせりと悲しみを抱えて気持ちがちぐはぐなのを知っているの?

 

一方で、今妊娠したらもう夫と今の現実の延長の未来の予定は立てられなくなるんだなあというちょっとした悲しみもあった。

 

そんな毎日を過ごしていると1月、1年、2年、3年と時は高速で過ぎ去っていく。

決断と覚悟。毎月毎月。

 

未来の話ができているようでできていない。

 

本当はもっといろいろ、今この時を楽しみたいのにそれができない。

 

それがとても苦しい。

 

そんなことを繰り返していたらあっという間に40歳を超えてしまっていた。

 

それでも世間では40過ぎて初産の方もいることだし、自分だってできるでしょ。

 

そう思っていた。けれども、私の心はそれを許さなかった。

 

今、子供がいない人生を歩む確率のほうが高い状態だけれども、やはり大多数の(データでいえば結婚している夫婦の9割近くは子供がいるらしいので)夫婦と同じ人生モデルを描けない自分に対して本当にこれでいいのだろうかと不安になるときがある。

 

女性の活躍を国は謡っているけれど、なんだかあれは「子供を育てている女性」のための背策のように感じる。

 

女性は子育てして、仕事して、世の中で活躍してください!!と。

 

国も物語っている。女性は子供を産むことが普通のことだと。

 

そこから漏れてしまった私。

 

もう、病院に行けなくなってしまった私。

 

私の時間はまだ、未来に向かわずに止まったままだけど、現実はどんどん進んでいる。

 

もうすぐ今年も半分終わる。