私は不妊治療の病院も、先生も嫌いだった。
具体的に意地悪をされたわけではないけれど、行ったこともなかった婦人科で、されたこともなかった内診をして、辛いって基礎情報で頭がパンパンで、毎回足を引きずりながら通院しているから。
見るものさわるものにすべての神経を尖らせて、怒った猫のように通院していたから。
けど、何度目かの通院をへて、色々上手くいかなくて涙して、一人でつっぱってヒロインぶったりしてみて。
先生に思ってることを聞いてみた。
この年齢でこの治療でバカなことをしてるってことは承知してます。すみませんって。
そしたら先生は、「今の治療は無駄じゃない。確率は0ではないしやる意義はあります」って仰った。
私はアラフォーで、体外受精までは心がついていかなくて、自分のできる精一杯の治療を続けていて。
だからこの年齢でバカなことをしている患者なのだと思われているだろうと思ってた。
先生にとってはいつも誰にでもしている返答だったのかもしれないけど、私にとっては大変に心に染み渡る言葉だった。
看護師さんにも大嫌いな人と好きな人がいて、先生は聞かなきゃなんにも教えてくれないクールな病院。
だけど私は自分の受け入れられる範囲で治療をするにはここに通うことが最善なのだと思った。病院は嫌いだけど、それでもね。
世間では転院が当たり前のことだそうだけど、私は自分の年齢と心持ちに従うと諦める最後の日までこの病院に通うのだろうと思った。
授かろうが授からなかろうが、ほかの病院ならうまくいくのかも分からないとしても。
母になりたいって気持ちの強度は自分の年齢が高くなるごとに諦めと恐ろしさで少しずつ収縮していくのを感じる。
それよりはこの先の旦那さんとの幸せを育ててて行きたい。
猫をかって、旅行にいって、庭いじりをしたり。
先生は高齢の私を信じている。私は可能性のある自分を信じている。
その先に成功があろうとなかろうと、それでいいのだと思う。