私はありがたいことに自分の気持ちが揺さぶられるほど身近な人の死を経験したことがない。
なので今回実家の猫が私のうでの中で亡くなったのはずいぶん衝撃だった。
行きを引き取る前とあと、それは地続きの時間で目の前にいる生き物も同じものなはずなのに
事切れたいっしゅんでモノに変わる。
変わらずに目の前にあるのに、回りの時間は一切の動きをとめる。
静寂と失われた体温と、そして固まる筋肉。
こんなに生き物からモノに変わってしまうのか。
そしてこれが家族の一部を失うということか。
これが意思と感情をもった人間だったらどうなのか。
寒気がした。ヒタヒタと、黒いものを感じた。年を取ることがこわい。
死が、怖い。