はじめに

ハムスター速報J( 'ー`)し「たかし、彼女を見せてくれないかい?」 より
個人的に気に入ったので小説化しました。
連絡が取れないので無断転載(引用?)ですが。
(一応、元ネタは台本だから完全コピペじゃないけど。また途中からはオリジナルにする予定。)
そんな言い訳はさておき、ID:BJUjazD60様に敬意を表します。





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「たかし、彼女を見せてくれないかい?」

ある病院の一室の、ベッド上に病院着の女性。

彼女がお見舞いに来ていた息子に言った言葉が、静かな言葉が響いていた。

「あ……ああ。でもやっぱり緊張しちゃうみたいだからさ……。」

たかしと呼ばれた青年はそう受け答えをしながら表情を少し曇らせていた。

母親から目をそらし、病室に飾られた花の様子を突然気にしだした。

今年22歳の無職の彼に、彼女などいない。

「そうだ!今度のクリスマスとかどう?良い機会じゃないかな?」

「いや…クリスマスはやっぱり二人きりがいいかな…」

「そ、そうね。ごめんね、カーチャンちょっとせっかちかな?」

母親の申し訳なさそうな顔を見て、嘘をついていることに少し罪悪感めいたものを感じた。

しかし、たかしは自分の見栄などの理由で嘘をついたのではなく、母親を安心させるために嘘をついた。

それでも本当のことを言うべきなのかと悩んでいた。

「そういえば仕事は順調かい?たかしが自立してくれて、カーチャン嬉しいよ」

「う、うん!すっごく順調だよ!この前も先輩から頼られたりしちゃってさ!」

無職とは職が無いと書く。職が無い人間が仕事をして先輩に頼られる訳が無い。

「やっぱりたかしはすごいね…たかしはやれば出来るって、カーチャンずっと言ってたでしょ?」

「カーチャンの言う通り!でも、こうやって活躍出来るのも、カーチャンに育ててもらったからだよ!」

「たかし…あはは、ごめんね。最近涙腺が緩くなっちゃってね…」

「カーチャン…俺、頑張るから…」

涙を流す母にかける言葉を他に思いつかなかった。

何を言えばいいのだろう。それがわからなかった。

少なくとも、本当のことを言ってしまえばまた心配をかけてしまう。

これ以上迷惑をかけないというのが、彼にできる唯一の親孝行。

そう信じていたからこその嘘を、ここで正直に告白できるはずもなかった。

「無理はしちゃダメよ?カーチャンは、たかしが元気ならそれで良いんだから」

「大丈夫だって!それじゃ、明日も仕事帰るから、じゃあね」

「はいよ、ほんとに無理しちゃだめよ!オヤスミ。」

こうやって嘘を嘘で塗り固めて、ずっと逃げて…それでいいのか?
でも俺なんてどうせ何をやっても…いいや、帰ってゲームでもして、アニメ見て、2chでもしよう

罪悪感、焦燥感、このままじゃいけないという考えはある。

でも、何をしても無駄だろうと言う考えもある。

暗い帰り道、電灯もない道。

先の見えない暗い道がたかしにとって自分の人生を表しているかのように思えた。

明日ハローワークに行こう。そう心に決め暗い路地へと消えていった。