ノマド(英: nomad、仏: nomade(s))

遊牧民、放浪者

 

誰にも
振り回されず
気を使わず
ノマドのような精神で生きると決めた。

 

付き合って約10年目の彼女と。実家で同棲する事となった。

僕自信は母子家庭で、数年前に弟、祖母が死別してからは母親との二人暮らし。親は否定するだろうがハッキリ言って「子供依存」の強烈な母親だ。

女手一つで育てて貰った恩はあるので同居継続の為、彼女と母親の間に入り手を尽くしたが、うまくいくハズは無い。

数ヶ月後、彼女と二人で部屋を探す事となった。

 

会社は転勤が多く、いつ辞令が来るとも分からない。白物家電以外は出来る限りコンパクトにまとめようという事になった。

 

1日で荷物をまとめて移動出来るような身軽な装備に。ならば、コンパクトに折り畳み出来るアウトドア用品が良いのではと、一式揃えて部屋に置いてみると意外に見栄えも悪くない。

 

そして思った。

 

ノマド(遊牧民)のようだ。

 

何だか光が見えた気がした。

 

派遣から数えて10年以上勤めた会社に嫌気が差している。しかも10年前からだ。

 

初めから嫌で嫌で仕方無かった。主にそこに集まる人達に。

悪い人達ではない。

尊敬出来る所もある。

ただ、合わない。180度合わないのだ。

初日に思った。

文化、思想が違う。

90度程度なら我慢出来るが

180度合わない人達に愛想を振り撒く事にほとほと疲れはてた。

 

元々、就活の為に繋ぎで始めた派遣だったが、自分には合わないなと思いながらもズルズル来てしまった。

 

専門学校を出て絵で食いたいと4年程自由に生きた分、正社員になれるのなら自分には職を選ぶ権利は無いと思い込んでしまった。

 

他の皆も同じように辛くても我慢しているのだから、自分だけ甘える訳にはいかないと。

 

自分で決めた事だから後悔はしないが

将来の事を考えると心底ゾッとした。

 

だから決めた

 

母親にも告げた

「最終的にどちらか一方しか選べないのなら考える余地無く彼女を取る」

 

次は会社だ。

 

誰にも

振り回されず

気を使わず

ノマドのような精神で生きると決めた。

 

さぁ、どうしよう。


因みに大好きな車、エスクード・ノマド。