たま~にこういう事が起こるから格闘技は面白いです。

UFC199でマイケル・ビスピンが遂にミドル級王者になりました。2006年にTUFで優勝してから数えると約10年。
別にファンでは無いけど本当におめでとう!という気持ちになりまして。
というのもビスピンさん、派手な試合が出来る選手ではなく、トラッシュトークで自己PRも毒舌王チェール・ソネン程の饒舌でも無ければコナー・マクレガー程の実績も無い、ここぞの大勝負で勝つ事が出来無いもんだから、常にランキング上位に居るのに一度もタイトル挑戦経験がありませんでした。印象に残ってる試合と言えば鉄人ダン・ヘンダーソン(今大会KO勝ちおめでとうございます)にフライングエルボーで殺されかけたシーンくらい。今回のタイトルマッチだって、挑戦者のクリス・ワイドマンが怪我で欠場した事による代打出場。しかも王者は過去に成す術なく一本負けした色男ルーク・ロックホールド。恥ずかしながら、どちらが勝つでは無くロック様がどう勝つかばかりを考えておりました。

ところが、ロック様のリングイン後の様子を見て何か嫌~な感じがします。格闘技好きな人は分かると思うんですが大番狂わせが起こりそうなソワソワした妙な感覚です。ロック様リラックスし過ぎじゃね?闘う男の顔じゃない。でも、まぁ、この感覚ってのは当てになりません。
番狂わせなんて中々起こるもんじゃないから番狂わせなのです。

ただ、今回は・・起こりましたね。ロックホールドは心の戦う準備が出来ていなかったという事なのでしょう。簡単に言うと嘗めていたんだと思います。一度勝った格下の相手だと。ワイドマンに比べれば楽な闘いだと。
対してビスピンは2週間前のオファーで肉体的には万全でないにしろ、精神的には燃えていたハズです。「やってやんぜ!」と。相手に舐められているのも感じていたでしょうし、今までどうやったって届かなかった千載一遇のチャンスを何が何でも手にすると。こーゆー精神状態の時に奇跡って起こるんだなぁ、否、起こるべくして起こった必然なのでしょう。
そう考えないとビスピンさんに失礼か。

あと、今回の試合でロックホールド、応援してただけに、期待してただけにちょっと嫌いになっちゃいました。肉体的に恵まれてて、素質も、ルックスも文句ない格闘エリートって雰囲気があるから余計に。
ともあれ、ミドル級は混沌として面白くなりました。ホナウド・ジャカレイもいますしね。


最後に試合中に追悼映像流れてましたがモハメド・アリ氏のご冥福をお祈り致します。