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「先輩、初めてお会いしたときからずっと好きでした!…俺と付き合ってください」
精一杯の想いを込めて口に出した言葉は、ひどくありきたりだった。
「ありがとう。でも、私は友也君のことは仲のいい後輩以上には見えないの…」
ありきたりの言葉には当たり前のようにありきたりの言葉が返ってきた。
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目覚ましがいつもと変わらず7時10分を指しながら、とっとと起きろとけたたましく鳴り響いている。今朝は、ひどく目覚めの悪い朝だった。10年以上も前の記憶が夢の中で繰り返される。
歳をとると夢が夢ではなく、ただの記憶になってしまうのだろうか。
眠った身体をシャワーで起こしながら、今日の予定を頭の中から出してみる。
「午前中に顧客を交えた進捗会議。午後は試運転。夜は、兄貴の嫁さんと顔合わせ…」
東京に出た兄貴が結婚相手を見つけて、実家に帰ってくる。これを機に親父の不動産や継ぐらしい。両親としては、兄が嫁を連れて実家を継ぐのだから大喜びだ。1ヶ月前に連絡がきてから、お袋がどんなに今夜を楽しみにしていたか知っている。
兄貴が親父の会社を継いでくれるのはうれしいことだ。ただ、兄貴と嫁さんがこの家に住むとなると、俺もそろそろ家を出なければいけないだろうな。
お袋の声が俺を現実に引き戻した。
「友也!いつまでシャワー浴びてるの!朝ごはんできてるよ」
つづく。