壺中日月長(追記しました) | うまうま定食

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エサ食む日々

自分はこの壺中日月長を
「こちゅうにちげつちょう」と
読んでたが実は
「こちゅうじつげつちょう」と読むのが
正しく。
自分の読みは間違いだったの。

これは漢詩で、中国発祥のものです。
日本語として送り仮名や副詞を
付けて行くなら
「壺中は月日長し」
「壺の中は外界とは異なった時空間である」ってとこかなぁ。




壺中天って言葉もあるしで、
そこにインナースペースや
ミクロコスモスを見出すのは
昔の人というか、全人類的に好きね。


フランス語だとピッコロモンドで
英語にするなら
イッツ ァ スモールワールドだわ。
ディズニーがここで出てくるとは!。


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さて、壺中日月長のベースとなるお話ですが。

とある市場に、
薬売りのじーさんが居て、
彼はその日の市が終わると
そのまま店先の壺の中に入ってしまう。



古代ギリシアにも
樽の中で深い思索を重ねた
ディオゲネスという変人哲学者が
いたというから、
これもまた「三途の河」みたいな
人類共通のお話なのかも。


お話を中国の市に戻す。
お役人がいて、
市場を取り仕切る役目を
負っていた。

薬売りのじーさんの奇妙な行動に
やがて気がつく。

興味を持った役人がじーさんに頼み込んで
壺の中に入らせてもらうと、
そこには時間のない永遠の世界があったという。

そんだけ。

さすが大陸系、起承転結やオチのない
ぶっちぎれた話が多い。
でも、そんな世俗をはるかに
超越したところが、
日本の禅僧などに好まれたんでしょう。

禅僧らはよく書にしたり、
その書を茶室に掛けたりした…

ああ、茶の湯の美学と共通するものが
ありますねぇ。


あと、無理矢理ですが、自分の療養生活。

なんとかこの狭い部屋を「庵」に
みたて。
寂しさ・怖さとは無縁の前向きなテーマが
欲しかったんですわ。
壺中日月長、これ良いわ。


これ、オークションのおすすめに
茶道具に混ざって篆刻や扁額が
混ざって来るようになったの。

数多く閲覧してく中で
「これは好みかな」と言うものを星印で
チェックしていくと、
好みの傾向が見えて来るし
おすすめの精度も向上するって訳。

書なんて全然分からないし、
知識も蓄えてないけれど、
どうやら自分は
デザイン的に処理された抽象度の高い
字が好きみたい。


オークションのおすすめって
面白いシステムですねー。、