こんにちは、copan-zeroです。

 

この自伝ももう終盤。

かなり頭がクリアになってきました。

アメンバーの方々には住宅と全く関係ない記事が続いてしまい申し訳ありません。

 

 

つづきです。

 

 

 

「結婚して下さい。」

 

元嫁にプロポーズされた。

 

近所のペットショップで偶然再会したが駅は隣同士。

徒歩で20分くらいの所にお互いが住んでいた。

自分が休日の日、深夜に近所のファミレスで会っていた。

 

「いいですよ。」

 

なにかを頼まれた時は断らないでやってきた脊髄反射と直感が入り混じったものだった。

 

「結婚」

 

自分の人生のなかで最も遠いところにあるもののひとつだと思っていた。

 

元嫁はびっくりしていた。

その顔をみて我に返ってはじめて動揺した。

人生を振り返ってもあんなに動揺したのは後にも先にもこの時しかない位動揺した。

 

仕事柄日常では考えられない状況に直面することがある。

扉を開けたら目の前で人が火ダルマになっていた時も冷静に対応して救助した。

家族の主人が自殺を図って残った家族に対してその事実を伝える時も冷静に対処できた。

そのあとショックでひと月休職したが・・・。

自分は動揺する事があるのだろうかと思っていた。

 

それほど心の中は動揺していた。

 

ただのお付き合いではないのだ。

家と家がつながる事になる、彼女の家族の事はなにも知らない。

そもそも彼女の事すら自分はどれだけ知っているのか・・。

 

が、自分は直感で了承したのだ。

 

ずっとそうしてきた。

自分を信じて進んできて反省した事はあるが後悔した事は一度も無い。

 

迷いは無かった。

 

「まず家族に挨拶しないと。」

元嫁は笑顔になった。

 

自分の実家の方は話が早かった。

自分は母と姉の二人しか家族がいなかった。

姉は結婚して名古屋に暮らしていたが帰郷のタイミングを待った。

実家は相変わらずのボロボロのアパート暮らし。

仕送りはしているが母はおそらく使っていない、今も現役で働いている。

結婚して名古屋に暮らす姉はびっくりしていたが母は思うとおりやりなさいと言ってくれた。

 

元嫁の実家に伺った。

某リゾート地の海に程近いとても大きな家、とは簡単に片付けられない程立派な家だった。

定年して夫婦で自適の隠居生活をしていた。

二人の姉家族も集まって頂いていた、丁度10人。

 

義父は寡黙な人で居間で一人で碁を打っていた、只者ではない印象だった。

「どうぞ」と一言いって窓際の大きな木の椅子に移った。

義母は気さくなおしゃべり好きな人で色々家族の事を話してくれた。

 

元嫁は日本にいれば知らない人はいない会社の元会長だった。

そういえば苗字が・・彼女の品性もしっかりとした躾や教育の賜物だと納得した。

 

完全に格差婚だと思った。

だけど全く気後れは無かったし後ろめたい感情もわかなかった。

自分の高卒のフリーターである経歴と幸せになる覚悟を淡々と伝えて結婚の許しを求めた。

 

義父以外の家族の顔色が変わった。

義父は背中を向けて碁をしていたので表情が見えなかった。

自分以外が醸し出す張り詰めた緊張感、沈黙がしばらく続いた。

窓の外に見える海を綺麗だと思ったのをすごく覚えている。

 

「頑張りなさい。」

 

安堵のため息が義母と元嫁から同時にもれた。

一気に和やかな空気になった。

皆が祝福してれた。

お礼を言って一晩お世話になり帰路についた。

 

それからすぐに二人と猫二匹の生活が始まった。

自分の人生で一番つらい時間が始まった。

 

 

つづく。

 

・・・長くてすみません、あと2回で終わります。