日本のおよそ2,5倍の面積を持つタンザニアの西隣に位置するルワンダからスタートして、タンザニア東端のインド洋に面したダルエスサラームまでバスを乗り継いで3日。

 次はインド洋に浮かぶザンジバルまで船で向かいます。

 複数の船が出ているのですが、一社を除いてすべて高速船で、1時間半ほどで到着します。

 除いた一社の船は3時間半ほどかかるのですが、その代わりに料金は10~15米ドル(外国人はドル払いなのです)安くて25米ドル。

 「時は金なり」という言葉がありますが、2時間を取るか、10米ドルを取るか?

 僕は迷わず10ドルを取って、安い船を選びました…(笑)。

 

 

 ただ誤算だったのは、甲板で潮風に吹かれながらゆっくり…と思っていたのに、現実はそういう作りではなく全員船室に閉じ込められたこと。

 それでも、外国人だからという理由で、エアコン付きの涼しいVIPルームに入れてもらえたのは不幸中の幸いでした。

 

 およそ4時間弱でザンジバルの中心地ストーンタウンの港に到着。

 船から見える港の建物には大きな「KARIBU ZANZIBAR」の文字が見えます。

 

 

 カリブとはスワヒリ語でウェルカム、ようこそという意味で、お店なんかに入ったときには「カリブー!」、「カリブ・サーナ」(サーナは丁寧語)と言ってもらえます。

 

 ただ、この時の僕は「ホンマにウェルカムしてくれるんかいな?」と、ドキドキしていたのです。

 それというのも、このザンジバルは同じタンザニアという国でありながら、イミグレーション(入国管理)があって、必ず黄熱病のイエロー・カード(予防接種証明書)のチェックがあるのです。

 これには理由があって、タンザニアの正式名称はタンザニア連合共和国というのですが、もともと大陸側のタンガニーカとザンジバルはそれぞれ独立した国で、それが一緒になって連合国となった歴史があり、ザンジバルの人は今でも「国」という意識が強いんだそうです。

 

 このころすでに新型コロナウイルスの影響があってまずは検温、続いてイエローカードのチェックです。

 ルワンダとタンザニアのボーダー(国境)では、チラッと見られただけで済んだのですが、ここでは手に取ってじっくり眺めています。

 実際にはわずかな時間だったのでしょうが、自他ともに認める小心者の僕にとっては長~い時間に感じられたのですが、無事入国を認められてホッとしたものです…(笑)。

 

 港を出てすぐにオシャレな建物が目に入ります。

 

 

 ここでザンジバルの歴史を少し振り返ると、1499年にバスコ・ダ・ガマがインドからの航海の帰りにここに立ち寄り、16世紀初頭にはポルトガル人の入植がはじまります。

 しかし、1698年にポルトガル人はオマーン人に追い出され、1832年にオマーンのスルタンが王宮ストーンタウンを建設し、以後オマーン帝国の本拠地となったのです。

 その後も奴隷貿易などで大陸内部タンガニーカ湖あたりまで勢力を広げたのですが、19世紀末のヨーロッパ列強のアフリカ分割の中でザンジバルの領土はイギリスとドイツ帝国に分割され、ザンジバルは1890年にイギリスの保護領となりました。

 そして1963年にザンジバル王国として独立したのですが、翌1964年にアフリカ人がクーデターを起こしてザンジバル人民共和国が樹立、さらに大陸側のタンガニーカと合併してタンガニーカ・ザンジバル連合共和国を結成し、現在のタンザニア連合共和国となったのです。

 

 そのような歴史を経て、アラブやスワヒリ、ヨーロッパの石造建築遺跡が多数残るストーンタウンは2000年に世界歴史遺産に登録されました。

 ということで、魅力的な建物が数多くありますが、まずは海沿いに進みます。

 

 

 そして、宿探しのために内部に入りますが、これがまさに迷路!

 

 

 どこに向かっているのか、方角さえわかりません…(笑)。

 

 

 それでも何度も何度も人に尋ねて、やっと目当てのゲストハウスにたどり着いたと思ったら、現在改装中で営業してません…(涙)。

 

 続いて第2希望の安宿を目指しますが、このまま迷路を進むのは無理と判断して、海とは反対側の大通りにいったん出ます。

 

 

 

 

 ここにきてようやくガイドブックの地図上で自分がどこにいるかをようやく確認でき、ここからはスムーズに進みますが、内部に入るとまた迷路…(笑)。

 

 それでも人に尋ねて尋ねて、ようやく目指す安宿アネックス・オブ・アブダラ・ゲストハウスに到着。

 料金は朝食付きで15米ドル、これがザンジバルの最安料金(ザンジバルの宿泊費は基本ドル払いなのです)。

 

 

 そう、ザンジバルは観光地で、物価高なのです…。

 

 さあ、ここからしばらくはのんびり観光です。