ニースでの日々を振り返っています。
今になってやっと、懐かしく思えるのです。
少し、胸が締め付けられます。

ニースは避暑地であり、有名な観光地であり、尋常じゃない数の外国人観光客で溢れ、そのほかにも、フランス語を話さない移民や、住む場所も持たない外国人も多く、町は狭く、汚れて、道ゆく人々はアグレッシブです。
この大都市が懐かしいのではなく、それでも持っていた個人的な愛着心を通して見ていたニースが、そこでのささやかな生活が、懐かしいのです。

ニースで始めたブログです。
途切れ途切れの更新でしたが、最初は「ニースのこと」というタイトルでした。
もう少し、ニースでの最後も日々を振り返りたいと思います。

最後の方は、シミエ地区にある修道院庭園にもよく通いました。

海辺に比べるととても静かで、どうしてもっと早くにこの場所に来なかったのだろうと思っていました。


そこにあるバラ園がささやかな楽しみでした。

こんな大きなバラも!


ここに来るのは地元民ばかりで、みな穏やかに思い思いの時間を過ごしていました。


港にある丘の上の城跡公園にもよくいきました。


最初の4年は、港の近くに住んでいました。


港の反対側からは、プロムナードと海とオールド・ニース(旧市街地)が一望できる。


市場で買い込んだ春野菜たち。

花付きの細長いズッキーニは、トランペットと呼ばれるもの。炒めても水分が出ず、歯応えが残って美味しい。


時々はイタリアで食べたブルスケッタを再現してみたり。

ラード・ディ・コロナータ(殆んどが脂身の生ハム)とアンチョビ。これが斬新で美味しかった。


だいすきなガリバルディ広場。


雨のプロムナード。

雨が降ったら、ほんとうに人っこひとり居ない。

はっきりしている。


ジャンヌ・ダルク教会にかかる虹!


信州人のこころ忘れず。

聖地から持ち帰った蕎麦を食す。

蕎麦は黙って十割。麺つゆ、ゴマだれは自家製。

おんたま、大根おろし添え。

十割だから、蕎麦湯もうまい。


目の前のアパート(左側)のひとつ下の皆にいるお爺さんとお婆さん、お元気かな。

話したことはないけど、お互いのバルコニーからボンジュール、と手を振り合う仲でした。

この関係はコロナ禍にはきまり、たとえ話さなくても少しづつ絆を深めてきたのでした。

何も言わずに出てきてしまったけど、私たちは元気です。


時には嫌気がさすほどの町だったけど、ニースには独特の色があって、それは美しい。

こんなにもきれいだったと、改めて思う。



つづく