【ひとつの小さな『デマ』が……😅】



46年前1973(昭和48)年の

今日12月8日の出来事なのですが……

ある女子高生の
悪気ない電車内の会話から
デマが知らぬ間に拡散……

なんと
約7千人が詰めかけ、
わずか3営業日で
26億円が引き出された
『豊川信用金庫事件』の話を
ご存知ですか??😵


ひとつのデマが
パニックを引き起こすまでの
詳細な過程が解明された珍しい
興味深いケースの事件なので、
掘り下げてみました……😅

ところで……
「デマ」という言葉の
語源知ってます??

 ドイツ語の
『デマゴギー(Demagogie)』の略☝

『政治的な目的や
民衆を扇動するために
意図的に流す虚偽の情報
でたらめで根拠のないうわさ話……

もともとはギリシア語で
民衆の指導者、
特に直接民主制のもとで
扇情的な弁論で民衆に取り入る
政治家をいうdemagogosに由来』

だそうです☝

今日お話しする
『豊川信用金庫事件』のお話は……

俗にマスメディアと呼ばれる
「SNS」や「マスコミ」は
一切介してなく、
「クチコミ」の
デマの拡散なのですが……

昨今よく話題にあがる
「メディア・リテラシー」とか、
「ネット・リテラシー」って
ありますよね……

「世の中にある
数え切れないほどの
沢山の情報メディアを読み解いて、
必要な情報を引き出し、
その真偽を見抜き、
活用する能力のこと」を
「メディア・リテラシー」、
「ネット・リテラシー」
と言いますが……


その「リテラシー」の
重要性をも
考えさせられる話です……
⬇⬇⬇

【豊川信用金庫事件とは??】

「豊川信用金庫が倒産する」
というデマから騒ぎが発生し……


短期間わずか3営業日に
約26億円の預貯金が
引き出された事件です……


騒動の舞台となったのは……

愛知県の
宝飯郡小坂井町(現・豊川市)
愛知県東部に位置する
名古屋からの距離は
50~60km程の町での出来事……

では、
46年前1973(昭和48)年の
今日12月8日から
時系列で経緯をご紹介します……
⬇⬇⬇⬇⬇

【12月8日(土)】
 
下校中の電車内で、
『豊川信用金庫』に就職が決まった
女子高校生 A を友人 B・C が
「信用金庫は危ないよ」と
からかった……

これは
「信用金庫は
強盗が入ることが
あるので危険」
という意味の冗談だったが……

女子高生 A は
真に受けてしまった……
(これが騒動のスタートです😅)

その夜、
女子高生 A から
「信用金庫は危ないの?」
と尋ねられた親戚の D は……

信用金庫を
『豊川信金』だと判断して、
同信金本店の近くに住む親戚の E に
「豊川信金は危ないのか?」と
電話で問い合わせた……

【12月9日(日)】
 
親戚の E は
行き付けの美容院の F に
「豊川信金は危ないらしい」
と話した……

【12月10日(月)】
 
美容院の F は
親戚の G にこの話をする……

たまたま
そこに居合わせた
クリーニング店の
店主の H の耳に入り……

クリーニング店主 H は
帰宅後に妻 I に伝える……

【12月11日(火)】

小坂井町の主婦らの間で
『豊川信金』の噂が話題となり、
通りがかりの住民の耳にも入る……

この頃、噂は
「豊川信金は危ない」
と断定調に……

【12月12日(水)】
 
街の至るところで、
『豊川信金』の噂の
話題が持ちきりとなる……

【12月13日(木)】

クリーニング店主 H の店で
電話を借りた J が
「豊川信金から120万円おろせ」と 
J の電話の相手に指示した……

J は『豊川信金』の噂を全く知らず、
ただ自分の仕事関係の支払いで
金を下ろす指示をしただけだった……

これを聞いた
クリーニング店主の妻 I は、
『豊川信金』が倒産するので
預金をおろそうとしていると勘違いし、
慌てて同信金から180万円をおろした……

その後、
クリーニング店の H・I は
知人にこの話を伝え、
これを聞いた
アマチュア無線愛好家が、
無線を用いて噂を広範囲に広める……

その影響か、
同信金窓口に殺到した
預金者59人により
約5000万円が引き出される……


『豊川信金』の
小坂井支店に客を運んだ
タクシー運転手の
証言によると、
昼頃に乗せた客は
「同信金が危ないらしい」

14:30の客は「危ない」

16:30頃の客は「潰れる」

夜の客は
「明日はもうあそこの
シャッターは上がるまい」と
時間が経つにつれて
噂は誇張されていく……

【12月14日(金)】

『豊川信用金庫』が
事態収拾のために声明を発表……

恐慌状態に陥った客には、
悪いほうへ悪いほうへ
曲解されてかえって逆効果に……

「銀行の中に
使い込みをした者がいるらしい」

「職員の中に5億円を
持ち逃げした者がいて
経営がおかしくなった」

「理事長が死んだ」

「理事長が自殺した」

「理事長が不況を
苦にして自殺した」

「理事長が不況を苦にして
首をくくって自殺した」

「家具店に融資をしすぎ、
おかしくなった」

「朝鮮人が豊川信金に
融資を断られ、その腹いせに
あちこちに電話をした」

「町内のある部落の人が
融資を断られ~」

「町内にある
とある工場の労働組合の集会で、
組合の委員長が豊川信金が
危ないと発言した」

窮地を脱するため、
『豊川信金』は
各メディアに対して
デマであることの報道を
夕方から報道各社に依頼……

同時に警察も捜査を始める……

ついには
『豊川信用金庫』の
総預金量360億のうち
約26億がわずか3営業日で
引き出されてしまった……


【12月15日(土)】

大蔵省 東海財務局長と
日本銀行 名古屋支店長が連名で
『豊川信用金庫』の
経営保障をすると公式に発表……

また、
自殺したと
噂された理事長も
自らが窓口の対応に
立ったことも奏功し、
事態は沈静化に向かう……

【12月16日(日)】

警察がこの件のデマの
伝搬ルートを解明し、
上記の流れを発表する……

以上……😅


怖いですよね~😱

ある意味、
不謹慎ながら、
笑い話とも思えるような
都市伝説のような出来事なんですが……

本当にあったお話なんです……😰

昨今、
Facebookなどの
SNSが普及してくると、
使用者も増えるし、
情報の拡散スピードも
クチコミなどの比ではなく、
速くなるし……😅

またクチコミとは違い、
SNS上の活字となると……


さも信憑性あるように
このような
デマ情報が拡散される
危険性が大いにあります……

また良かれと思って、
その情報を拡散してものの……

それがデマ情報で、
親切の人助けのつもりが、
加害者の一人になってしまうことも……



僕ら一人ひとりが、
SNSを利用するものは
「メディア・リテラシー」
「ネット・リテラシー」という
意識を持って、情報の真偽を疑い、
見抜く力を持たないと
いけない時代なのかも知れません……

今日はそんな
『豊川信用金庫事件』にまつわる
今における
「リテラシー」お話でした……

素敵な一日をお過ごしください🎶