
20:00前に外に出ると見事な満月が...!!
僕の安いデジカメではここまでが限界だが、
満月を見ると「吠えたくなる」...じゃなくて、
青年時代に読んだコラムを思い出す..。
読売新聞社から出版された「私の人間学」
という、僕が師と仰いでいる方の一説だ..。
師は下記エピソードに登場する2人の
人物と対談されている。
【下記引用文】
“精神の確立を求めて”
著名な美術史カ家であり、
アカデミー・フランセーズの会員でもある
ルネ・ユイグ氏のエピソード
第二次世界大戦のさなか、
氏はルーブル美術館の絵画部長として
ドイツ軍から貴重な美術品を守る為
ロワールにのがれていた。
そして同時にレジスタンス運動の
参謀室にも所属し、祖国フランスの
自由の為に戦っていた。
ある日、友人である
アンドレ・マルロー氏がそこに
配属になって来た。
共にレジスタンスの制服姿の再会..。
戦いの続く日々の中で、二人は
よく情熱を込めて語り合ったという。
そしてユイグ氏は、ある時、マルロー氏が
語った言葉が忘れられないというのだ。
それは月がこうこうと冴えわたる
晩のことであった。
ユイグ氏とマルロー氏の二人は
夜道を車で走った。
突然、マルロー氏が車を止めた。
「歩こう」。
ユイグ氏は気が気ではなかった。
ナチス占領下の真っただなかである。
いつ敵が現れるかわからない。
マルロー氏は月光の照らす道を
悠然と歩いていく。ユイグ氏は後に続いた。
ふとマルロー氏が、深い物思いにふけるように
言った。
「文明というものは常に海洋流域で発達する。
なぜならそこには、コミュニケーションが
あるからだ。見たまえ、古代文明はエーゲ海、
そして地中海地域から始まったではないか。
その流れは大西洋地域に移り、これからの
事を考えると、太平洋文明が必ずやってくると
思う」
月あかりの夜道で壮大な文明論を語るマルロー氏。
話の内容にも驚いた。とともに何より、人々が
今日一日を生きのびるのに精一杯という戦時下にあって、
はるかなる人類の未来を
展望するマルロー氏の
スケールの大きさに感心したという。
【上記迄引用文】
青年時代、少しばかり情熱に
たぎっていた僕は感動した。
悠々と歩く、心の巨人!
ナチス占領時が1940年頃。
それから約70数年。
実際にアジアが栄えている。
当時、誰がそれを想像できただろう..。
戦後僕が学生の時ですら、太平洋文明が
これほど繁栄するなんて思えなかった。
・・・・に、してもこの方々の器と
ロマン溢れるエピソードに感動した青年期の情熱
を、ほじくりかえしたいものだ。