閉店まぎわの蕎麦屋の戸が
静かに開く。
小さい2人の
男の子を連れた母親が、
のれん越しに
「あの~、
かけそば一杯なのですがよろしいですか・・?」
・・・のような出だしだった・・。
25年前に大ブレイクした、栗良平作
「一杯のかけそば」 ・・あれから25年か・・。
・・話の続き、
・・それを聞いた蕎麦屋のおかみは
「あいよ~、かけそば一杯」・・と、
オーダーする。
奥でその様子を見ていた
蕎麦職人の主人は1.5玉の蕎麦を湯に入れる・・。
・・みたいな流れだった。
初めて聞いた時、
僕は、冒頭でトリハダが立ち、
「あ・・キてしまうかも・・。」
・・と思った。
しかし、この話、
ブレイク下り坂の頃は、
「現実的に蕎麦を買った方が安上がりでは?」
・・や、
「日本人の美談好きに、つけこんでいる」
と非難の嵐になり、
やがて作者の品行・スキャンダル
等々で、瞬く間に話題から
消えていった。
「感動を返せ!」みたいな
言葉も飛び交う。
当時、僕は感動したものは、タダだから
作者の行いがどうあれ、自分の中で
「トリ消し」にする事もないのでは?
・・と思っていた。
自分の中にも「原価からすると・・。」
・・・のような計算があったが、
トリあえずそれは、
置いときたい気持ちだった。
美談に酔いたい時もある。
賛否はともあれ、
カキアゲうどんをススったら、
この話しがふと、ヨギった・・。
・・カメ吉、
今、思案中なので、
おとなしくしときなさい。

