バナナマンという
お笑いさんがいるが、
今日、スーパーで僕はつくづく
「ステーキマン」だと思った。
僕の生い立ちは子供の頃、
両親が八百屋をしていた。
その当時、80歳位のお爺さんが
毎日バナナを一房買って行く。
一房で300円もしない・・。
でも20本くらいのバナナがついている。
「そんなに毎日バナナ食べれるんかいな?」
と疑問に思っていたが、口には出さなかった。
考えてみれば、戦争直前、直後、
バナナは超貴重品だったと、昔の方は言う・・。
ガッツ石松さんの自伝(おそらく昭和20年代)
ワルガキだった時に、金持ちのボンボンが
石松さんの前で何か隠しモノをしている・・。
石松さんが、それに気づき
「それをよこせ」と巻き上げる。
その後「どうやって食べるんだ」と
聞き、皮を剥いて食べた
こんな美味い夢のような食べものが
世の中にあるのか!と愕然としたらしい・・。
そして「これはなんて言う食い物なんだ!」と
恫喝したところ、ボンボンは「バナナ・・」と
一言漏らす。
本人曰く「そうか、バナナと言うんだな。
自分は頭が悪いので、忘れないよう
家に帰る迄、バナナ・バナナ・バナナ」と
言い続けていたと言う。
そして、あれを毎日たらふく食べるには
どうしたらいいか?と考え、
自分のとりえは喧嘩が強い事、意外にない
と思った。
そしてボクサーとなり、チャンピオンになる。
動機はバナナをたらふくだった。
だから冒頭に載せたお爺さんの気持ちが
わからなくもない・・。
「バナナが300円!これは有無を言わさず買いだ」
と思っていたに違いない。
同じ次元の話になるがスーパーへ行くと、
僕が子供の頃は「ビフテキ」といい、
夢の食べ物だった。
それが550円弱で売っている・・。
それを見た瞬間、「こないだ食べたばかりだろう」
とか「もう大衆食品だろう」みたいな発想は
浮かばない。
むしろ「今、食べないといつ食べれるかわからない」
みたいな、バナナお爺さんの思考回路と一緒だ。
何の躊躇も無くスーパーカゴへ入れてしまう。
「ステーキマン」だ。
知っている肉屋さんのほとんどが言う。
肉は腐る直前が一番旨味が出ると・・。
「ふっふ、冷蔵庫で賞味期限ギリギリ迄
寝かせて、ジュワっと焼き、カブりつこう」と楽しみを
ひとつ増やしている僕だった。


