19歳の春
俺は屈強な男とともに東北本線の鈍行列車に乗り仙台を目指していた。
二本松を過ぎた辺りで地元の不良と思われる輩が近づいて来た。きっと同じ不良の匂いを嗅ぎつけて喧嘩を売りに来たのだろう。
しかし近くまで来て慌てたように後ろを振り返り去っていった。
何故なら俺の手にはワッパがかけられていたからだ。
そして俺はその電車を長町駅で降り八木山にある少年院へ向かった。
そこで俺はまる1年過ごす事になる。
悪い事をしたからと言って少年院にはすぐに入れない。
まず最初は警察署で拘束された後、鑑別所に行く。
福島市にそれはあって福島テレビの近くにあった。
鑑別所での期間は短かったが確か三角ベースボールをやって塀を超えたらアウト!って言われた記憶がある。
何で場外ホームランじゃねぇんだ?と思ったよ。
あの頃の俺は1日で6回も警察に捕まった事があるほどの暴れん坊だった。
ただその殆どは他人の喧嘩の助太刀だ。
「鈴木さん聞いてください」「やっさんお願いします。あいつら」と俺に頼んで来る。
今思えばくだらねぇ事で(肩がぶつかったとか目と目が合った)頼まれたんだが当時は話を途中までしか聞かねぇですぐ行動してた。
まぁ若かったからな。
少年院の生活はとても規則正しい。
起床は6時。
消灯は9時だった。
部屋は10帖ぐらいだろうか?そこに6人から9人ぐらいで過ごす。
窓の近くに洗面がありトイレとボックスがあるだけ。ボックスには日用品と着替えなどが入れてある。
食堂でもそうなんだが決まってない席順が自然に決まって来る。
まぁだいたい犯罪の内容でセコイ下着泥棒のようなコソ泥や強姦野郎は一番隅の方だ。
傷害のような暴力関係だとその見た目も相まって前の方だ。
俺は入所前から噂になってたらしく「相当ヤバいのが来るぞ」ってのが広まってた。
そのせいか席は入ってすぐ前の方だったし草刈をしてると何人か集まって来て「私がやります」ってこんな感じだった。
正直悪い気はしなかったがそれを面白く思ってない奴もいていじめられたりもしたな。
昼間は運動か仕事だ。
頭の悪い奴と良い奴では仕事の内容が違う。
頭の悪い奴を通称パープと言ってたんだがそういう奴は農業だ。パープはだいたい農業をやらされる。
そしてそこそこ頭の良い俺みたいな奴は電工系だったり印刷だったりする。
まぁ刃物を持たせると危険だという事もあるようだ。
ごはんはきちんと3度出る。
ただ食べ盛りには若干量は少ないかも知れない。
飯は通称バクシャリと呼んでいた。バクは多分麦の事。
決して美味しくはないが慣れればなんて事ない。
朝はタクワンと梅干。そしてお味噌汁。
それにくらべて昼と夜はまずまずの内容だ。
ただし
甘いものは極端に少ない。
たまに甘いものが出てても「何だこれ?」と言うぐらい甘くない菓子が出たりするんだ。
何故か?
それは砂糖は性欲を増す作用があるからだ。
10代のやりたい盛りの男達だ。少しでも「おとなしく」させたいのだろう。
それでも性欲は抑えられない。
部屋には野郎どもと雑魚寝だ。
自慰行為はどうしたら良い?
第2章に続く
