こんばんは^^
このお話は、実はこの間まで掲載していた『恋心~』の一番最初に考えていた話なんです。
書いていくうちに、この話は二人がくっついてからの方が、いいなと思って寝かせておきました
とっても短いお話です
ATTENTION
この小説は、BL小説です。
不快に思われる表現が出てくるかと思われます。
BLにご理解のない方は、この先に進むことをお勧めしません。
これまでのお話はこちらから
# Prologue
#1 #2 #3 #4 #最終話
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.
『恋心 koigokoro 恋に落ちた瞬間』
窓の外は、日に日に空が高くなっていき、すっかり秋の気配を感じさせている。
夕方になれば、涼しさを通り越して、少し肌寒さを感じる。昼間は、あんなに暑くだるいのに…。この気温差が身体にちょっと堪える。
放課後、まだ教室には数名が残っている。生物のプリントの提出が今日までだからだ。
「鳴海。シャーペン貸して」
背後から声がする。克哉は俺の前の席についてこちらを見ている。
「ん」
手にしていたシャーペンを克哉にさしだした。
「サンキュ!」
あ……。
右手の人差し指の先に、克哉の指がほんのちょっと触れた。
克哉は、オレからシャーペンを受け取ると、プリントをヒラヒラさせながら
黒板がよく見えるところに移動した。
俺は、窓の下に見える中庭を眺めているフリをしていた。
必死に黒板を写している克哉の姿を右目端に捉えて盗み見る。克哉は時折シャーペンを下唇に押し当てる。
その度にギュッとつままれたような感覚が全身を襲ってくる。そして、さっき軽く触れた指先がジンジン疼く。
右手の人差し指が熱い―――そっと唇で触れてみる……
はっ……。何やってんだ俺。
我に返ると、今のしぐさが誰かに見られていたような気がして急に恥ずかしくなった。
俺は居た堪れず席を立った。
西日の光線を受けた放課後の廊下は、なんとなく寂しい感じがする。
なんか飲み物買ってこよう。
喉の奥に何かが詰まったようで、気分が悪い。
教室を通り過ぎようとした瞬間グイッと腕をつかまれた。
うわっ。なんだ??
「鳴海。オレ、いつものね」
「はぁ?」
「自販機いくんでしょ?」
「なんでわかる」
克哉は笑っているのか?逆光で表情が読み取れない。
つかまれた腕を振りはらい、中庭の自販機へ向かった。
中庭の隅に無機質な自販機が3台ならんでいる。
克哉がいつも買っている銘柄のストレートティー。ボタンを押そうとしたとき
ほんの一瞬邪推が横ぎった。
なんかむかつく。俺あいつのパシリか?
思わす隣のアップルティーを押した。
教室に戻ると、克哉は俺の机に腰かけて外を見ていた。
「ん」
「サンキュ」
汗をかいた缶を克哉が受けとった。
あ。まただ…。
俺は動揺を気づかれないよう、プルタブを開けて一気に中身を飲み干した。
克哉も一口含んだ後、こちらをじっと見ている。
「あれ?鳴海めずらしいね。アップルティー買ったの?」
「うん」
「一口飲ませて」
俺から缶を受けとり飲んだ。
ゴクリと飲み込む音が、耳につく。気恥ずかしくて克哉を見ることはできない。
「あー。俺やっぱストレートのほうがいいや。コレ甘すぎ」
じゃぁ。人のモン飲むなよっ。
返ってきたアップルティーをじっと眺めた。
飲まないと変だよな…。って、俺何考えてんだ。克哉は男だろ。
「鳴海?帰ろっか」
鞄を肩にかけ教室を出る克哉の後に続く。
グランドから運動部の掛け声が廊下に響いている。
ふと目線を上げると、克哉の髪が西日に反射して茶色く透けて輝いて見えた。
急に心臓の鼓動が早くなる。
痛ってえ――。思わず胸をつかんだ。
「どうしたの?」
克哉が振りかえり覗き込んだ。
近すぎ…。
「わりぃ。なんか胸焼け」
「普段のまないヤツ飲むからだよ」
こっちの気も知らないで、何言ってんだ。
お前のせいだろっ。心の中で愚痴る。
「俺のせい?」
「え?」
「鳴海、けっこう分かりやすいから」
「な…なにいって…」
いつもの交差点まで来ると克哉は「じゃ。明日な」と軽く手を上げて信号を渡って行った。
人ごみに紛れていく克哉の背中をじっと見つめていた。
もう一度……もう一度だけ振り向け…。
そう思った瞬間……。克哉が立ち止まって振り返った。
ドックン―――!
ものすごい大きな音を立てて心臓が跳ねる。
克哉は俺の視線には気が付かずまた歩き始めた。
痛ッてぇ……。何だコレ……。言いようのない寂しさが心を襲う。
鼻の奥がツーンと痛み涙がこぼれそうになった。
俺は涙が零れ落ちないように上を向くと、満月でもないのに丸く膨らんだ月が見ていた。
鳴海の恋する気持ちが伝わってくれたでしょうか??
この話をやっぱり1話にしないでよかったって思います(*^o^*)
読んでくれてありがと
