『俺の彼氏の絶対温度 chapter1 始まり』 | 美咲ゆうのキュン♡をお届けします

美咲ゆうのキュン♡をお届けします

美咲のきゅん♡が詰まっています
ぼーいずらぶにはまってしまった美咲の勝手な妄想をダダ漏れ公開チュ♡賞味期限が切れているので、注意してね☆






! ATTENTION!
この小説は、BL小説です。
不快に思われる表現が出てくるかと思われます。
BLにご理解のない方は、この先に進むことをお勧めしません。


前回と同じ内容です。小説のみの投稿です。


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆






chapter1 始まり

「ねぇ…。キミ……。江藤準介(えとう じゅんすけ)君…だよね。
うちでバイトしない?」

ココは、行きつけのレンタルショップ。

都心から電車で15分弱。

駅周辺は昔ながらの商店街の風情を残しつつ、
教育機関が多いせいであろうか、若者受けのするショップがちらほらと立ち並んでいる。

お互いが干渉することなくうまく融合した街並みの中に、その行きつけは存在している。

こじんまりとしたショップなのに、客足が絶えない。
その理由は、ジャンルごとにしっかりと仕訳されていることはもちろん、

結構コアなものまでそろえられてあるからだ。映画好きには堪らない。
それに要望があれば、すぐに対応してくれる。

と、まぁここまではどこの店でも当たり前にされていることだろう。

このショップの最大の人気の秘密は、店長の戸張 楓(とばり かえで)にあった。


「えっ?何で、俺の名前知って…」

「いや~。キミ週に一回は必ずうちの店に来てくれてるでしょ?」

「はぁ…」

準介は、曖昧に相槌を打った。

「あっ。俺ココの店長やってんの」
「はぁ…。知ってます…」

身長パッと見、180オーバー。
漆黒の髪が大人の色気を漂わせている。
切れ長な目は、一見とっつきにくそうな印象を与えるが
さりげない接客に嫌みがなく、
話の引き出しの多さに会話そのものを楽しみに来る客もいる。

このショップに来て、店長を知らない人なんていない。

『そりゃー こっちは週一で来てんだ。店長ぐらいわかるよ。
それにしても、客の名前とか…。いちいち覚えるもんなのか?しかも、いきなり、バイトって…』


怪訝そうに準介は楓を見上げた。

「まぁ。ちょっと検討してみてよ。俺とキミ趣味が合うみたいだしさっ。
 きっとうまくやれると思うんだよね。はい、コレ今週のお勧めね」

そういうと楓は、準介の肩をポンとたたき、手に持っていたDVDを渡した。
そして、店内の奥のほうへ向かっていった。準介は、あっけにとられその場に立ち尽くしていた。

しばらくして、我に返り楓から渡されたDVDに視線を落とした。

――― ~呼吸が吐息に変わる~
        『悶絶誘発運動シナリオ』―――

「冗談じゃない。なんだこれ!!エロビじゃん!」

思わず大きな声を上げてしまい、
準介はあわてて口を手で覆いあたりを見回した。そして、まだ一度も踏み入れていなかったR18コーナーへ向かった。

準介が一度もその一角に入ることがなかったのは、その手のDVDに興味がなかったから、というわけではない。
ほとんど自分で調達しなくても、まわりまわってDVDの方から準介のもとへやってきてくれるのだ。持つべきものは、エロマニアの友達ってやつだ。

準介は自然と心拍数が上がってくるのを感じていた。
なんとなく、周りに知られてしまっているような気がして恥ずかしくなったが、
手に持っているDVDを戻さないことには帰るに帰れない。
仕方のないことなんだと自分を正当化させ、羞恥を蹴散らすように入口へと向かっていった。

『あぁぁぁ…。なんだか、オトコの性を露呈してる気分だよな…』

その入り口は、異常なほどにピンクで、レースやらリボンやらと、女の子が好きそうな物でキラキラしていた。

『こんな形で、ここに入るとは思わなかった…それにしても、なんかこの装飾違くねぇ?』

準介は、平静を装って中に入った。幸い誰もいなかった。
魅惑の一角の中は、壁一面に惜しげもなく魅惑なボディーを晒した女の子たちが微笑みかけている。

準介は、適当にDVDを棚に戻すと、隣のポップに目がいった。
かわいらしい丸文字で書かれている。

―――危険な放課後…。先生と二人っきりの課外授業。
     このままじゃ赤点になってしまうからって、呼び出されたけど
     さっきから、先生の視線に犯されている私……
                                                私の初めてを全部あ♡げ♡る♡―――
     

『うっわ~なんか、文字がエロい…』

つい誰もいないことに気が緩んだのか、POPに目を奪われていた。

「あっ。ソレ、そこじゃないんだよね…」

「うわっ」

いきなり背後から、耳元で声をかけらて準介は、
目の前の棚に倒れこんだ。
その瞬間、楓の左腕が準介のわき腹から伸びてきて、
背後から抱きかかえられてしまった。


楓は、準介を抱きかかえたまま、さっき適当にしまったDVDをとりだすと、
いつもとは違う艶のある声で耳腔内を響かせた。

「大丈夫?コレ…あっちの棚なんだわ…」

楓の目線に促された先には、
先ほどとはうって変わって対称的な視線がずらりと並んでいた。
棚には、あちこちにポップが張られている。

―――せ…先輩っ!俺っ我慢できませんっ!
            先輩の熱く猛ったソレで、俺を貫いてくださいっ!!
               俺の中…先輩でいっぱいにして…―――


「こ…これ…、ホ…ホモ…???」


準介はひっくりかえった声を上げた。
目の前の棚を直視することができず、腰が思わずひけてしまった。

すると、楓はドンッと棚を一突きし準介の顔面ギリギリに近づいて真顔で言った。

「違う!!これは、ゲイビだ!ボーイズラブだ!
俺の自慢のコレクションどうよ?」



「どっどっ…どうって…。お…俺…そんな趣味…ないんで…。
 し…失礼しますっ」

準介は、楓の腕の下をすり抜け、ピンク一色のコーナーから慌てて飛び出した。

『なんなんだ…?あの店長…ゲイなのか?』


準介は、以前から観ようと決めていた『星とレタス』をケースから取り出すとレジに向かって、足早にショップを後にした。


外はすっかり日が落ち街灯が町を照らし始めていた。

駅周辺の小さな商店街の街並みを抜け、

踏切を超えしばらく線路沿いに歩くと赤い自販機がある。
その目印となる小さな路地を曲がったところに準介の住むアパートがあった。

「だたいまー」


準介は誰もいない部屋に向かって声をかける。

準介の母親は専業主婦で、
外から帰ってくればたいてい家にいて出迎えてくれた。

そんな生活を18年も続けた生活を送っていたので、
そう簡単に抜けることのない習慣だった。

一人暮らしを始めたころは、返事の返ってこないことに寂しさを感じていたのだが、
2年も続けば
慣れてくるってことだろう。

夕飯も軽く済ませ、シャワーを浴びいつもと同じ銘柄の缶ビールを冷蔵庫から取り出す。
鞄の中から先ほど借りてきたDVDを取り出しデッキにセットする。
準介にとって今一番の至福の瞬間である。あんなことさえなければ…。


突然携帯の着信音が鳴った。


実家からだ……

「もしもし?」


「あぁーー。じゅんちゃん?ママだけどー。元気?」

「あぁぁ。うん。元気だよ」

『いいかげん自分をママとか呼ぶのやめろよ。俺いくつだと思ってんだ…。』

準介は心の中でそうつぶやきながら、DVDを一時停止した。

「あのねー。まみこ姉ちゃんが家に戻ってきてんのよ。
綺羅くん達連れてー」

「へー。珍しいじゃん。にぎやかでよかったな」

まみこは、準介の3歳上の姉である。
17歳でできちゃった婚。何かと騒がしい台風のような姉である。

「じゅんちゃん。そんな楽しい話じゃなくてね、旦那さんと別れて戻ってきてるのよ」

えぇぇ?何でそんな急に…おっと」

手に持っていた缶ビールを落しそうになった。
準介は、缶ビールをTVの前にある小さなテーブルに置きすぐそばのベッドに寝転んだ。

「それで、悪いんだけど…。
今月からじゅんちゃんの仕送り半分にさせてもらうから」


「えええ!なんでそうなるんだよっ」

寝転んだも束の間、ベッドから飛び起きて耳元に挟んでいた携帯を持ち直し叫んだ。

「だってー。まみこのところの子供3人に、恭一兄ちゃん家族と、ほら…かすみは今年受験生だから、予備校へ行ってるしね。
大変なのよ。東京はたくさんバイトするところはあるでしょ?
時給もいいって聞くし…」

「まっ…待って。俺、今年から本格的に実習とか入ってくるし、そんな時間とれねーよ」

「何言ってんの!2年間十分に時間があったでしょ?それに時間は作るものよ~。じゃぁ、そういうことだから、よろしくね」

「じゃぁ、じゃねーだろっ。って切るなよっ。あぁぁっもうっ。
いったい今実家は、何人家族になってるんだ!!」


そんなことを一人ぼやきながら、
頭をかきむしり、冷静になろうとぼんやりと部屋を眺めた。

DVDデッキの青白い光が
鮮やかにくっきりと浮かびあがり、再生を催促するかのように点滅している。
準介は、立て続けに色んなことが起こりすぎて、少し感情の整理が追いつかなくなっていた。


「あぁぁ…。今日はもう観る気分じゃないよな…。
つーか、バイトとかそんな簡単に探せるかよっ。いきなり言って…」

んんん??バイト……?


急に、耳の後ろが熱を持ち始め、さっき抱きかかえられた感触がよみがえってきた。
準介の脳裏に、無駄に笑顔を振りまくレンタルショップの店長が
両手を広げてwellcome!と言っている姿が浮かんだ。

「ないない!アレはぜーーーったいにない!」

意地で別のバイトを探してやる!
と準介は脳裏に浮かんだ店長を消すかのように頭上を両手で払った。





chapter2 へ続く…