こんにちは。
昨日は寒かったのですが、今日は気温も上がってぽかぽか陽気。
お布団もよく乾いた九州北部地方です。
朝5時に目が覚めたので図書館で借りていた本を読みました。
途中、ことちゃんが起きてきたりで中断しましたが2時間程で読了。
菜月は、2人の子どもを持つ主婦である。
ある冬の日、5年生の息子俊介は、サッカーの選抜メニューに選ばれなかったと酷く落ち込んで帰宅した。
そして、菜月と夫の浩一に「サッカーをやめて中学受験したい」と言い出した。
突然のことに驚く両親だったが、俊介の「夢があるから国公立最難関の中学だけを受験する。落ちたら公立へ行く。」という熱意に押されて、俊介の中学受験を応援することに決めたのであった。
中学受験とは全く縁のない生活を送ってきましたが、ぼんやりと「お金がかかる」というのは知っています。
俊介の父親は自動車の営業マンで母親は専業主婦。
そろそろ家を買おうかという普通の家庭で、年間数十万かかる通塾費用を捻出できるような経済状態にはありません。
また俊介の妹の美音は生まれつき耳が聞こえないハンデを持っており、母親の菜月が通塾費用を捻出するためにパートに出たら、放課後は学童へ通わなくてはいけません。
最初は、浩一も反対していたのですが、菜月にはどうしても俊介を応援したい理由がありました。
そのためにパートに出るのですが、義母からは「小学生に受験勉強だなんてかわいそう。美音だって学童なんてかわいそう。」とお小言をチクり。
そんな義母に、結婚してはじめて反論した菜月の格好いいこと!
母親とはこうあるべきかと震えました。
本書は3章に分かれており、それぞれ違った視点から俊介の受験の様子が描かれています。
1章は、母菜月
2章は、俊介本人
3章は、俊介が通う塾の講師加地です。
受験の主人公は、もちろん受験生本人ですが、それを取り巻く父も母も指導者も当事者です。
最初は菜月視点で読み進めていたのですが、時に俊介になり、加地になりしながら、中学受験って凄いなと単純に思いました。
合格するのが一番いいけど、不合格だったとしても無駄じゃない。
そこまで懸命に頑張ったということは残る。
金の角は消えることはない。
ほぼ全編、泣きながら読みました。
TBSの金曜10時枠でドラマ化希望です。