シリーズ全巻読了いたしました。

 

 

 

江戸時代。

 

大阪で生まれ育った澪は、幼少の頃に、水害で両親を亡くします。

 

大阪の有名料亭「天満一兆庵」のご寮さん芳に助けられた澪は、主の嘉兵衛に天性の味覚を見込まれ、料理人として店で奉公することになります。

 

数年後、もらい火事で店が焼失し、嘉兵衛とご寮さん、澪は天満一兆庵の江戸店の主、嘉兵衛の息子佐兵衛を頼って江戸に出てくるのですが、店はもぬけの殻。佐兵衛の行方も分かりません。

 

心労が祟って嘉兵衛は病死。

 

澪は、ご寮さんと長屋暮らしをしながら、江戸のそば屋「つる家」で雇われ料理人となります。

 

最初は大阪との風習の違いに戸惑う澪ですが、料理の才は次第に開花し、江戸版ミシュランガイド「料理番付」にまで載るようになるのです。

 

 

NHKのドラマで出会って、すぐに原作を読んだのですが、ドラマ以上に面白く夢中になって読み進めました。

 

もともと、時代物は苦手なジャンル。

 

時代背景が分かりづらかったり、べらんめえな江戸言葉になじめなかったりで、大好きな宮部さんの作品でさえ時代物は避けておりました。

 

ところが高田郁さんのこの作品は、時代物なのに古臭さやとっつきにくさが全くありません。

 

それどころか、主人公澪の心情が現代の女の子のそれのようで、ドキドキしながら読んでいました。

 

仕事、恋、友情

 

これって女子の永遠のテーマですよね。

 

このお話は、そのテーマに沿って、あるべきところへ導かれていきます。

 

本当に素敵な物語でした。

 

 

さて、最終巻の最後に付録として料理番付が折り込まれているのですが、これがまた素敵。

 

うっかり最初に見てしまったのですが、ラストまで取っておいたほうがいいかしらね。