職業としての小説家 [ 村上春樹 ]
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何度も申し上げておりますが、ワタス…ハルキストじゃーございやっせん。

どちらかというとアンチ。いやアンチだね(笑)

どうしても、彼が描く主人公(特に男・チノパンにシャツインベルトしてる風な童貞男子臭がするところが嫌)が好きじゃなかったりしたわけですが、村上さんのこのエッセイを読んでみて、何となく腑に落ちるところがございました。


きちんとしたご両親のもとで健やかに育った…のだけど、大学は7年くらいかかって卒業したとか。

タバコふかしながら夜な夜な資料に埋もれた部屋で小説を書いていた訳ではなく、書きたい気持ちやネタの引き出しが一杯になった頃、外国へ行って、非常に真面目に丁寧に書き上げることであるとか。

実は健康的で毎日欠かさずランニングをなさっていることであるとか。

自分の小説に関する評価はそれなりに気にはなって腹もたつけど、仕方ないな…と思っていらっしゃることとか。



何だか、色々とても丁寧で真面目な方なのです。

小説を書き始めたきっかけも、野球観戦中にキュピーンと天啓的なものがあったから…だというし、なんだか凡人には全く理解できないところもありますが、まぁ…この人ならあるもかもね。
なんてところはございます。

私、存じ上げませんでしたけど、芥川賞候補になられたこともあるんですね。

つか、純文学なのね!なんて思った程。

もちろん…デビュー作などは未読ですから、何とも言えないところです。


あ。芥川賞取らなかったのもそれはそれでよかったと思っていらっしゃるそうです。

そういう肩書きがつくのもお嫌なんですって。


村上さんは国内での講演をお受けになることはないそうですが、この本は、まんま講演だと思っていいです。
>村上さん自身もそう仰ってます。

これを読めば、大体の彼の人となりは掴めるのではないでしょうか。

しかし、これを読んでも小説を書く方法は分かりません(笑)


この本が出版された時、ある大手書店が出版社からその殆どを大量直接購入し、他店へ配本するという今までとは全く違う方法で市場へ流通しました。

ネットではなく、本屋で本を買うという当たり前のことを読者へお願いしているわけです。

そういったところも村上さんだからだなぁ…とやっぱり腑に落ちたわけです。

…あれ?でも、今回の流通方法に関しては村上さんのオッケーも取ってあるんかな??


が、
村上さんごめんなさい。

ワタス…図書館でOPACに反映される前に紙予約した悪い子です。てへり。

昔の作品を(文庫ですが)何ぞ買って読みますからお許しください。


でも、村上さんの昔の話も読んでみたいと思わせるところがある作品ですよ。ほんとに。

村上さんのことは、ちょっぴり悪くないな…と思うようになりましたんで、あまり彼が好きでない人も読んで損はないと思います。