今回も前回に続いてポンプの事でうだうだと個人的な見解をw

普通に冷やすならそんなに強力なポンプは無くても大丈夫と書きましたが、1年位前に参考で古いPCを組み直した物が良く解るので、ラジエター120と240にCPU水枕とVGA水枕の構成でポンプはDDC310、これで十分水は廻って冷えています、CPUが全開になっても問題は無いですし回転が低いポンプなので静かです、ミドルケースで水枕2個とラジエター2個程度ならこの位のポンプで十分以上に働くって事ですわ。

(動画にいらん声入ってます、ごめんなさい)

 



話は振り出しに戻ってPC水冷に使われているポンプは遠心ポンプばかりです、水に使うならほぼこのタイプ一択かな、それでPC水冷黎明期に主流だったアクアリウム用ポンプも遠心ポンプが使われているのですが、今のPC水冷に使われるポンプに比べて圧力が圧倒的に低いのは次のEHEIM1048の写真を見てもらうと明らかです、インペラーハウジングとインペラー先端の間隔が異様に大きくインペラーが作った圧力が逃げてしまうからです。


アクアリウム用は金魚の糞や藻、餌の残りなどがフィルターを使っててもポンプに吸い込まれるのでインペラーとハウジングの間隔が狭いと直ぐに詰まってしまって回転不良を起こしてしまうからです、なのでカスはスルーする様に作られています。
逆に言うとよほどの事が無い限りポンプは止まらないので安心ですが。

PC水冷で今使っているポンプは同じ遠心ポンプでもハウジングとインペラーの隙間が可能な限り狭く作られているので圧力が上がりやすくなっていると言う訳です、ゴミなんかは基本的に無いですから。


この構造から判る様に今使われている殆どのPC水冷用ポンプはアクアリウムからの流用では無いと言う事が判ると思います、Laingポンプはアクアリウムの流用と「知ったか」してるサイトをどっかで見ましたがちゃいますよ~

前回も書きましたがDDCポンプは水冷マック(Power Mac G5ですね)の為に作られたポンプでそこから一般に出回る様になりました、なので完全にPC水冷用ポンプです。D5系は温水暖房の循環ポンプの流用です、なので純正で真鍮のハウジングを装着した場合は水温が100度でも使える様になっています、北海道辺りでは結構使われている筈ですよ。

たまにポンプが止まったのでどう対処したら良いかと問い合わせが有るのですが、ポンプが止まったり、動きが渋いのはポンプの故障を除けば原因はほぼスラッジです、というか故障は少なくスラッジが原因で止まっているのが殆どです。
まずはポンプを分解してみる事です、隙間等にスラッジが溜まっていると思いますので流水とブラシを使って綺麗に洗浄したらほぼ復活します。

「止まった」とお問合せする前にまずは分解洗浄です。

ポンプのメンテナンスですが、分解洗浄以外は基本的にする事がありません。
ラング系以外のポンプは写真の様にスピンドルにインペラーが挿さっていますので、引き抜いてスピンドルとインペラーのスピンドルが入る穴の中を掃除し、ハウジング等のスラッジを綺麗に掃除します、スピンドルにインペラーと言う組み合わせは粒子が入った染料(透明では無いタイプ、ソリッド)が隙間にこびりついてポンプの動作不良をほぼ確実に起こします、なのでこのタイプのポンプ(LaingとLaig互換以外)で使うならしょっちゅう洗浄しないと駄目です、ソリッドは綺麗ですが少し使うと流れが澱む箇所には必ず粒子堆積するので、出来るだけメンテしたくない方はソリッドカラーは使わないのが一番です。



Laing系のポンプはスピンドルの上にセラミックボールが付いていて、そこにローターインペラーが乗っかっている「やじろべえ」みたいな構造になっています、この形のおかげで粒子系の染料のスラッジが溜まっても通常型のポンプに比べてスラッジで止まる確率は低いです、メンテナンスは同様に水で洗浄するだけになります。どんなメンテ方法があるかと期待してた方、ごめんなさい。分解洗浄だけですw



Liangポンプ豆知識
Laingポンプにはローターの位置検出センサーがあり、起動時にブルブルッとローターが震えて自分の位置を確認してから回り出します、このセンサがボディー側に数カ所有り、そのうちの1個が駄目になって偶々そこにマグネットが止まった場合は次に起動するとき位置を検出出来なくて動かないのです、ポンプを小突くとローターが動いたりします。(下手な絵ですがご容赦を)


時々動かない時があるけど廻り出したら正常と言うのはこの時が殆どです、センサーが駄目になってるのでそろそろ寿命って事になります。
動画を撮ってみましたがなかなか判りにくいです・・・

 

 


PWMタイプは元々電圧調整が出来ないですがD5のダイヤル式のポンプもダイアルでは流量調整出来ますが入力電圧では流量調整が出来ません、これは内部にボルテージレギュレーターを持っているので入力電圧に対して一定の出力電流で回転を制御している為です、D5と付くダイヤルの無いタイプも同様です、ただ例外があって全く同じボディーのD4と言うポンプは電圧で流量が調節出来たのです、DDCはどっちやったか忘れましたw
ただ今はPWMタイプが主流なのでどっちゃでもええですね。

またポンプに関してなんか思い出したら蘊蓄たれます、以上。

皆さんはPC水冷に使うポンプの選択基準を何にしていますか?

値段はもちろん重要ですが、音や振動、性能、若しくはみんなが使っているかですよね

振動に関しては最近のポンプは全て共振を誘発する位の物はほぼ無いと思います、昔の主流だったマキシジェットやEHEIM,OASEのポンプは鋼板が薄いケースに入れると、共振で音が発生していましたけどw

音に関してはD5ポンプがインペラーが大きくてDDCより回転が低いので静かです、DDCはPC水冷に使うポンプとしての基本性能はD5より僕は上だと思いますが、インペラーが小さく高回転なのでどうしても高音域の音がD5より耳についてしまいます、Laing互換は基本的に同様の傾向ですが他のポンプは回転が低いので音的には問題無いですね。

次に性能ですがスペックの最大流量を見て大流量だからと決めている方が殆どだと思います、ただPC水冷に関して言えばこれはあまり正しく無い選択です、最大流量は揚程0メートルの数値で配管抵抗が全く無いポンプを設置した高さと同じ高さに水を流せる流量だからです。PC水冷では水枕やラジエター等配管内の流量を阻害する抵抗物が沢山あるので揚程値(ポンプが出せる最大圧力)で選択するのが正解になります。
ただこの選び方は性能を基準にする方ですよ、後で書きますがただ冷えたら良いのであれば性能を基準に選ばなくても良いです。

それで実際にPC水冷の配管内でどれだけ流れるのって話になるのですが、それは性能曲線が公表されているポンプの場合はこれを見るのが解りやすいです。

まずはDDCポンプの比較です。
DDCポンプはPC水冷の為に設計されたポンプで水冷のMacintosh用でした、それが市販される様になったのです、それまではアクアリウム用ポンプの使い回ししか無かったので出てきた時は画期的でしたね~、バリエーションがどんどん増えて末尾が数字で表される様になりましたが基本的な差はインペラーの回転数です。



この表のDDC3.1の部分をみて下さい、揚程0(0フィート)の時に流れる量は毎分1.75ガロン(アメリカガロンとして約6.6リットル)です、これが揚程8フィート(2.4m)になると毎分0.9ガロン(3.4リットル)ぐらいです。
(揚程8フィートは水が8フィートの高さに到達する為にかかる配管抵抗です)
同じ揚程でDDC3.25の場合は毎分1.7ガロン(約6.5リットル)流れますので、これが3.1と3.25の性能差となります、実際にかかる配管抵抗の時の流量を比較すれば良いのですが、自分の組んだ配管の抵抗がどれ位有るのかが判らないところが難点なんですよね~
まあ抵抗高めの部分で比較しとけば沢山流れると言う事ですわ。



次の表はEKのほぼDDC互換のポンプSPC60とDDC3.1の比較です、双方のポンプほぼ互角の性能と言う事が判ります。



次の表はEKが出してる表ですがDDC3.25とD5 PWMの比較
この表で面白いのは揚程0の時の最大流量がD5が毎ふん8.2リットル位でDDCが毎分9リットルぐらいとなっている事です、まあ揚程0は比較しても意味ないので置いといて、揚程が300ミリバールの時(大体3メートル位)にD5は毎分3.3リットルに対してDDCは毎分5.3リットルと抵抗が加わった場合は圧倒的にDDCが勝っていると言う事です、流量マンセーな方はDDCを選択するのが良いと言う事です、ただしさっきも書いてますがDDCはD5に比べて高音域の音が耳に付きやすいと言う弱点があります。

それで一体どれ位の水が流れたら普通に冷えるのやと言う事ですが、まず大前提としてOC等はせず定格運用で精神衛生上全く問題無い温度域で動かす事を考えたら、水は止まらずにチョロチョロ流れてたら十分冷えると思います、これは実際にテストした訳ではないので断言はしません、昔のテスト結果と経験上の感覚でですのでご容赦下さい。
昔のテストでは今みたいに強力なポンプは無かったのでマキシジェットやEHEIM1048を使っていました、測定した流量は毎分1.5リッターしか流れずかなりチョロチョロです、それでも300Wの負荷をかけても温度は下がっていましたので・・・今のAIOでも流量自体はチョロチョロとしか流れてないと思いますよ。

 



PC水冷初期の頃はただ単純にフィンの間を水が流れるタイプでしたので、大流量で流せば流す程冷えたのは間違いないです、ただ今のCPU用水枕はマイクロチャネルタイプ(絞って勢いよく吹き付ける)なので流量が少なくても冷える構造になっているのです。
その他の部分はCPU程発熱しないので流れるタイプのまま(一部GPUはマイクロチャネル)で十分なのだと思います。

 

それからひとつ思うのがチョロチョロの方がラジエターの中に液体が滞留する時間が長いので効率良く水を冷やせるのや無いかなと言う事です、早く流れると(流量が多い)とそれだけ水から熱が吸い取られる時間が少なくなるので入りと出の温度差が少なくなると言う事、昔は流量が大きいポンプが無かったのでテスト出来んかったけど今やったら出来るな~また暇な時で思い出したらそのうちw

だらだらと思い込みを書きましたが次はホースのサイズ(抵抗)について考えてみるかな

ラジエターの事でHWLabsの社長にちょこっと教えてもらったので、その豆知識を皆さんにもお裾分けと言う事で。

一つのメーカーの見解ですので他社と比べてどうか?と言う事は有りませんし偏った??見解かもですのでその辺は含み置いて下さい。

HWLabsのBlack Iceで使われている材料は真鍮と銅です。
銅は放熱フィンにのみ使用されていて、その他のフラットチューブやチャンバー、フィッティング部分は真鍮になっています。

銅はご存じの通り真鍮と比べて段違いに熱伝導率が高いのですが、真鍮と比べてとても柔らかいと言う特徴があります。
銅の熱伝導率は真鍮の3.8倍だそうです。強度を持たせた銅合金は熱伝導率が無酸素銅より落ちます。
Black Iceの真鍮フラットチューブの材料の肉厚は0.18ミリ以下ととても薄く、これを熱伝導率が高い銅に置き換える場合、組立工程でフィン接合時に必要な強度を保つ為には約5倍の厚さが必要になるそうです、銅の熱伝導率は真鍮の約3.8倍ですが、厚みを加味すると銅のフラットチューブより真鍮の方が遙かに薄いのでフィンに熱を伝える最終的な熱伝導率は真鍮の方が良いと言う事になります。
これがHWLabsが全銅のラジエターを作らない理由だそうです、またチャンバーに銅を使った場合も強度を保つ為にはチューブと同様に肉厚が必要です。銅は比重が高く重いのでラジエターがとても重くなります。

基本的に性能は取り付けるファンによってかわりますがやフィンピッチ、フィンの形状、チューブが何列有るか等のラジエターの容量で基本的に決まります。
フィンピッチ(FPIはFin per Inchの略で1インチのチューブにどれ位のフィンが付いているかを示しています)は大きいほどフィンの間隔が狭く静圧の高いファンが必要で、小さいと風の通りが良くなります、ただ放熱面積は小さくなりますので放熱容量は小さくなります。
この辺のバランスをどの位にするかが難しい処ですね。
Black Ice GTX系の様フィンピッチが大きいラジエターは高速ファンで音は関係無いぜとガンガン風を押し込むのに特化された極端なラジエターです。それからフィンにルーバーを設けて放熱効率を良くする様にして有る芸の細かい物も有ります、SR系のラジエターにはルーバーが付いています。

次にフィンの列を多くして物理的な放熱容量を上げる事です、現行ラジエターは厚さによってFPIが違うので単純比較しにくいのですがコアの容量で言えば倍になっても実際にテストすると倍冷えてる事は無いと言う事です、表面積が増えれば増える程効率良く冷やせます。

それからたまにですがラジエターの中が錆びてるとクレームが入る事が有ります、中が茶色くて鉄の錆とほぼ同じ色なのでそう仰るのは判るのですが錆ではありませんと説明しても中々理解してもらえず苦労する事が有ります、
ラエジエターの製造工程ではブレージング溶接で熱が加わるので薄板の真鍮は熱によって簡単に赤茶色に変色します、これが鉄の錆とよく似た色なのですよね、みなさんも良く覚えておいて下さいね~

口で言って手で図を書きながら説明すると解りやすいのですが、文字で書くと滅茶苦茶説明しにくいですね。そのうちYouTubeで見苦しい自分が出演して蘊蓄話でもするかなw