病院生態学

病院生態学

都会の総合病院勤務医(独身♂)です。
医療にまつわること様々なことをおもしろおかしく、考察していきます。

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こんばんは。かつおです。
最近は季節柄患者さんが少なくなってきました。夏と冬では冬の方が患者さんがわんさか入院してきますね。そういう意味でも夏はいい季節です。



さて、今日のテーマは

健康保険の限界

です。


さて、日本人の死亡率第1,2位は癌と脳血管疾患ですが、自分の頭に癌や血管障害はないかと心配になったときに一番感度の高い(病気を見つける確率の高い)脳の検査というのは、MRIという検査です。

しかしながら、MRIの撮影にいくらかかるでしょうか。
性能のよいMRIになると14000円ほどになります。


さて、この検査を脳ドッグでうけると、健康保険は適応されません。14000円払わねばなりません。
しかしながら、病院で医師の判断のもとで受けると健康保険は適応されます。1割~3割負担で済みますね。


だとすると、みなさん、医師の判断でこの検査を受けたい!健康保険を適応させたいと思うと思います。

それでは、人間ドッグでMRIを受けることと、病院で医師の判断のもとに受けることこの違いはどこにあるのでしょうか。


実はこの違い、医師にとって脳の病気を疑い、検査をする必要性があると判断されるか否かにかかっています。そして、その判断は患者の申告方法や対応する医師によって幅がでてきます。

たとえば、あってはならない話ですが、
脳梗塞の症状がないにもかかわらず、そういう症状をwikipediaなんかで調べて、医師にその症状を言って脳梗塞が心配なんです!MRIとってくださいとかいえば、きっと医師によってMRIをオーダーされることでしょう。こういう症状があって認知症かもしれないから脳が萎縮していないかどうか調べるためにMRIを!とかいうのもありです。

ここらへんは患者の倫理の欠如(時には医師?)によって、価格が変わるシステムはどうにかせないかんかなーとかつおは考えています。


それでは、また今度


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