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【ティタノマキア】最終日

決戦の場で
先陣をきったのは、
ハデスだった。





姿を消す兜をかぶって
クロノスの懐へ飛び込み、
相手から武器を奪ったのだ。





続いてポセイドンが、
三つ叉の矛を
振るって
クロノスを牽制。





最後にゼウスが、
稲妻の具現化たる
雷【ライテイ】(テイの字は雲に廷と書く)から、
無類の破壊力を持つ
雷を発し、
クロノスにとどめをさした。





ティターン神族の
世界支配は、
この瞬間に瓦解した。




これ以後、
覇権はオリンポス神族に移行し、
ティターン神族が支配の座に
返り咲く事は、
二度と無かった。





プロメテウス等、
一部の
先見の明ある
ティターン神族は、
早くから同胞の
敗北を予見し、
ゼウスの側で加勢していたため、
この時点では処罰を免れている。





が、
それ以外の大半の
ティターン神族は、
地底世界タルタロスの
虜囚(リョシュウ)となり、
暗闇で怨磋(エンサ)の声を
上げることになった。




彼等を監視する獄吏(ゴウリ)の
任に就いたのは、
皮肉にも、
かつて同じ場所に幽閉されていた、
ヘカトンケイルだった。

【ティタノマキア】その③

時は流れ、
無事に成人した
ゼウスは、
クロノスが恐れた通り
父への反逆を決意する。





彼は祖母ガイアの援助を受けて、
まずはクロノスに
嘔吐剤を飲ませ、
その体内に閉じ込められていた
兄弟姉妹を吐き出させた。





ここで救出された五柱の神々は、
後にオリンポス神族の
中核を成すことになる。





中でも、
後の海神ポセイドンと
冥王ハデスは、
ゼウスにとって
心強い味方となった。




彼等兄弟は、
オリンポス山に立てこもって、
いよいよ本格的に
クロノスとその配下の
ティターン神族に宣戦布告する。





こうして始まったのが
ティタノマキアだが、
戦力は拮抗し、
戦いは長期化した。





十年に及ぶ
膠着状態の後、
その状況を打破したのが、
一つ目の
キュクロプス三兄弟と、

五十の頭に
百の腕を持つ
ヘカトンケイル三兄弟の、
異形の巨人達だ。






彼等はいずれも
ウラノスの子、
つまり
ゼウスにとっては
伯父にあたる存在だが、
容姿の醜さを
父に疎まれ、
地底世界【タルタロス】に、
永らく幽閉されていたのだ。





ゼウスは祖母ガイアの
勧めで彼等を
その境遇から解放し、
味方に付けたのだ。





怪力のヘカトンケイルらは、
百の腕を駆使し、
巨岩を雨霰と降らせ、
敵軍を錯乱した。





一方キュクロプスらは、
得意の鍛冶の
腕を振るい、
三種の魔法の
武器を造った。





ゼウス、三男
ポセイドン、長男
ハデス、次男
の三兄弟は
その武器を手に、
遂に最終決戦に臨む。

【ティタノマキア】その②

【マキア】とは
【戦い】の意味。
よってティタノマキアは、
【ティターンとの戦い】
を意味する。





無論これは、
勝者オリンポス神族の
側から見たときの
呼称だ。



あらゆる戦争と
同様に、
この戦いもまた、
ある日突然に
勃発したわけではない。



その遠因は、
開戦の遥か以前から
歴史的に積み重ねられていた。



紀元前八世紀頃に
成立したヘシオドスの
叙事詩【神統記】に、
その歴史が綴られている。



これによれば、
原初の混沌(カオス)から
誕生した最初の神は、
大地母神ガイアだったという。



ガイアは単独で
天空神ウラノスを生み、
息子である彼を
夫とした。



夫婦は多くの子をもうけ、
その子孫がティターン神族になる。



ウラノスは彼らの王として、
頂点に君臨した。



だがウラノスは暴君だったので、
その虐待に耐えかねた妻ガイアは、
やがて息子のひとり、
時空神クロノスと結託して
クーデターを起こす。



そしてクロノスは、
母から授かった鋭い鎌で
父のペニスを切断し
父を追放したのだ。



さて、
クロノスは父に代わって
ティターン神族の王位に就いたが、
その瞬間から、
彼は疑心暗鬼の虜に陥った。



父と同様、
我が子によって
王位を奪われる事を恐れたのだ。



そこで彼は、
妻レアが子を生む度に、
片っ端からその子等を
丸飲みにし、
我が子等の
成長を阻止していった。



これを嘆いたレアは、
ガイアの助言を受けて、
六番目の子を石とすり替える。



クロノスはまんまと騙され、
産着に身を包まれた石を飲み込んだ。



難を逃れた赤子は、
密かに地中海のクレタ島へ送られ、
ニンフ(妖精)達の手で養育される。



この赤子こそが、
後のオリンポス神族の王、
ゼウスである。