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神々への憎悪を募らすロキ③完

フリッグは息子の死で
悲嘆に暮れた。




しかし、
どうしても息子の死を受け入れられない
フリッグは、
冥界の女王ヘルに、
最後の望みを託すのである。




その懇願に対するヘルの回答は、
『世界中のあらゆるものが
バルドルの為に泣くならば、
復活を許そう』
というものであった。



そこでフリッグは、
再び九つの世界を巡り、
息子の為に涙を流してくれるよう
頼んで歩いた。




すると、
世界中のあらゆるものが、
直ぐに喜んで涙を流したと言う。




だが、
最後の最後に、
一人だけ泣かなかった者がいる。




またしてもロキである。



ロキはフリッグがどんなに頼んでも
涙を一粒もこぼさなかったのだ。



こうして、
母の願いも空しく、
バルドルの復活は失敗に終わった。




勿論、
ロキが報いを受けなかったわけがない。




バルドル殺しの罪で
捕らえられたロキは、
地下の巨大な岩に縛り付けられ、
顔に大蛇の毒を受け続ける罰
を受ける事となった。



最早神々も、
ロキを許す事は出来なかった。




だが、
この罰に対してロキは
反省する事もなく、
逆に神々への憎悪を募らせていった。




そしてこれが、
神々を滅亡へと導く
ラグナロクの遠因となるのである。

神々への憎悪を募らすロキ②

光明神バルドルは、
オーディンと
豊穣の女神フリッグの
間に生まれた二番目の息子で、
光の神である。





この光明神は
純真無垢な性格によって、
誰からも愛される存在であった。






だが、
そんなバルドルがある時、
自分の死を予感させる不吉な夢を見てしまう。






その話を息子から聞き、
心配した母親のフリッグは、
息子を不死身の体にしようと決意する。





そして、
九つの世界を隅から隅まで巡り、
あらゆる生物と
無生物に、
自分の息子を傷つけないよう
約束を取り付けるのであった。






ところが、
フリッグは唯一、
宿り木とだけ
約束を交わす事を
忘れていた。






宿り木のような
小さい植物が、
バルドルを傷つける事は無い
と思い込んでいたのである。






さて、
フリッグの懸命の手立てにより
バルドルが不死身になったと
聞かされた神々は遊技場に集まり、
バルドルの体に
石や槍を思い切りぶつけて
試してみることにした。






しかし、
バルドルの体には傷一つつかない。






それを見た神々は、
愛すべき光明神が、
もうこれで死ぬことは
無くなったと喜び浮かれた。






しかし、
その光景を見て、
面白く思わない者が一人だけいた。






ロキである。
ロキは老婆に変身して
フリッグを騙すと、
彼女の口から
宿り木とだけは
約束を交わしていないことを聞き出す事に成功する。






そこでロキは、
すぐさま宿り木を手に入れ、
バルドルの兄弟である
盲目の神ホズに手渡し、
バルドルに投げるよう唆した。(ソソノカシタ)






そして、
何も知らないホズが
宿り木を放つと、
この小さな植物は
バルドルの体を貫き、
光の神の命を奪ってしまうのである。

神々への憎悪を募らすロキ

霜の巨人族の血を引く悪神ロキは、
その天邪鬼な性格から、
時として神々を窮地に
追い込む事もあったが、
それでも神々から許され、
仲間として認められてきた。






これはロキの狡猾さが
神々を助ける事もあり、
また彼が、
神々の愛用する魔法の武器や
道具の数々を調達してきたからであった。





それ故、
ロキは最高神オーディンとも
義兄弟の契りを結べたのだ。






だが、
そんなロキが、
決定的に神々の
敵対者となってしまう事件が起きる。






それは、
オーディンの息子である
光明神バルドルの死を
めぐる一件だ。






この騒動を引き起こしたロキとしても、
最初は他愛のない
ちょっとした悪意でしかなかったのかもしれない。






しかし、
それは、
神々からすれば許されざる悪意であり、
ロキと神々の間に、
決して埋められない溝を
作ってしまうのである。