暇であること、退屈であることはとても大事なことです。
      ほとんどの人は、そういう時間があると「何かおもしろいこと」
      を探そうとするものです。何故なら、その方が楽だからです。
      それは、自分をごまかすための安直な方法だからです。
      そして実際、楽しくておもしろいことを見つけ、それに没頭し
      夢中になり、「疑似幸福感」を味わい、再びそのことをしたい
      欲望が芽生え、そのために努力します。本当の幸福を
      発見することなど忘れて・・。
      賢人はそういう一連の欺瞞(つまり自我の愚かさ)に気づき、
      そして「私は誰か?」を追究することこそ、真の幸福に通じる
      のではないか?と、感じ始めます。
      「私は誰か?」。
      暇で退屈でつまらない時間はそのためのチャンスだと思います。
      クリシュナムルティは言っています。「思考は私たちの問題を
      解決することができるだろうか?」
      思考すなわち自我は本質的に愚かなメカニズムであり、その
      外へ出ない限り、私たちは真の幸福を感じることはできないだろう、
      というようなことをクリシュナムルティは言明します。
      何故なら、彼はそのことを体験的に知っているからです。
      何かを信じることは、逃避であり自己欺瞞です。
      何も頼りにせず、「事の本質」を見抜いた人こそが、そういった
      一連のことを、まさに知っているのであり、何かを信じることは
      それとは全く関係のないことです。

                     

                       ♯

       出典は忘れましたが、以下のような話を読んだことがある。   

       ある朝、若い修行僧が師と一緒に朝食の席についていた。
       その若い修行僧は一晩中考え事をしていて、結局眠れなかった。
       そこで、その朝食の席で、自身の疑問を師にぶつけた。
       「人間は何のために生まれてきて、そしてどこからやって来て
       何処へいくのでしょうか?死後の世界はあるのでしょうか?
       真理とは何なのでしょうか?神は存在するのでしょうか?
       私はいったい何のために修行しているのでしょうか?
       宇宙とはなんなのでしょうか?
       救いはあるのでしょうか?」

       と、師はひとこと、「飯が冷えるぞ」

       
                   ♯

         少し以前に、あるかなり有名ないわゆる「掲示板」に僕は、

         「何が男女平等だ!」と題して、要するにそういう内容の文章を

         載せた。

         反響はある意味で予想通り(と言っても絶対数がたったの3通の

         mailだが)。二人の比較的若い女性は、「そのとおり、よくぞ言ってくれ

た」

         という内容。あとの1通は若い男性の、「好意的なmailは来ないと思いますよ」

         ということだった。

         乱暴な言い方をすれば、改めてマスコミというのは本当に出鱈目な 

           ものだと感じた。  
             

国会を中心とした日本の政治の世界は、
まるで自民党が次期政権であるかのような顔をしている。
しかし確かに今の菅民主党政権も失敗だが、
かと言って自民党に「復活」する資格はない。
われわれ国民は自民党による戦後の長期政権には懲り懲りしたはずだ。
考えてみれば自民党政権が戦後長期にわたって続いたのは、
主に経済が成長路線にあったからではないだろうか。
そしてグローバリズムの「失敗」によって、
ある意味民主党政権は運も悪かった。
この今の政治の混乱の原因は、
すべてがそこに集約されるような気がする。

つまり乱暴なことを言えば、

今の菅民主党のダメさは自民党の責任でもある。
たとえ自民党政治が続いていたとしても、
この経済の混乱と低迷は、
つまり結果は同じだったろうと私は思う。
特に酷かったのは、
小泉政権による「小さな政府」政策の大失敗である。
つまり今にして思えば、
国民は小さな政府がいいのか大きな政府がいいのか、あるいはその中間くらがいいのかという
基本的な選択に失敗してきた。
と言うより、いまだにはっきりと選択して来なかったのである。
その時々の雰囲気によって政治の選択を誤ってきた結果ではないだろうか。

一度小泉政権という「小さな政府政策」を選んでしまって行き詰まり、
次にどうしようと逡巡(しゅんじゅん)した結果かもしれない。
一度失敗した基本的な政策の失敗を回復することは
どの政党が政権をとっても不可能だったのではないか?
少なくとも簡単なことではないのだ。
それに背景には、
日本だけではなく世界的な経済の混乱があった。
いま民主党の失敗を責めることは簡単だが、
自民党なども思いあがってはいけない。
もしまたここで自民党を中心とした政治に戻っても結果はまた同じだろう。

つまり時には国民自身の辛抱強さが必要ということだろう。