その日を 境に Aは 「着いて行く」 と 口に出して 言わなくなった
たぶん 覚悟していたのだと 思う
俺が 独りで 配属の地へ 向かうのだろうと
知り合いに 何処か 独り暮らしが 出来る 安い場所は 無いかと 聞いていたらしい
その事を Kから 聞かされた時 何とも言えない 気持になった
俺だって Aと 離れたくは 無い
それまでにも 辛い想いを しながらも 一緒に 乗り越えて来た
しかし 地元を 離れると Aを 守れる人間は 俺しか いなくなる
俺が 仕事で 帰れない時 もし Aの身に 何か あったとしたら・・・?
そんな事を 考えると やはり 地元に 残した方が いいと思えた
配属先決定の 通知が 来て Aに その場所を 告げた
Aの眼から 大粒の涙が 零れ落ちた
「遠いやん・・・ やっぱし 俺 置いてけぼりか?」
「ツレやらと 滅多に 逢えんように なんねんで? 俺が 出張の時やら 一人に なんねんで? それでも いいんか?」
「えぇもん! ダチンコやらと 一緒にいても ○○さんが いいひんかったら 何にもならへんやん!」
まだ 気持が 決まらぬ内に Aが 店へ行く 時間になり 車で 送って行った
終始 黙りこくった 侭だった
営業中の Aが 気になり 何度か Kと 携帯で 連絡を とり 様子を 聞いた
泣きは していないが 表情は イマイチ・・・ しかし 健気に 笑顔を 作っている
そして Kに 言われた・・・
「(Aを) 置いていった後の事 考えた事 あるけ? 俺ぁ どうなっても 知らんで・・・」
閉店時間になり Aを 迎に 行った
店から 他のヤツラと 一緒に 出て来たAは にこやかに 話していた
けれど 車に 乗った途端 カラダを 震わせ ェッェッ と 泣き出した
胸が 痛くなった・・・
車を 走らせながら Aの頭を そっと 撫で 俺は 決めた
コイツを 連れて行く!
部屋に 戻り まだ 泣き止まぬAを 後ろから 抱きしめ 言った
「着いてくるやろ? 来てくれるんやろ?」
Aは 益々 大声で 泣き始め 抱きついて来た
「行くもん! 絶対 行くもん!」
今 想えば
連れて来て 正解だったと 思う
離れてしまえば 駄目になるのは 俺・・・
今一度 Aの大切さを 痛感した 休日だった