押忍! | 西守 騎世将『折れないハート』ブログ

押忍!

僕は40代の前半まで、極真空手の

指導員をしていました。



ご存知の通り、この世界の返事は全て「押忍」。

それしかありません。

喜怒哀楽やあらゆる返事は「オス」で

現します。

「YES」は当然「押忍!」ですが、NOな時は

「オ…ス…」だし、喜びを表すときは

「オース、押忍!押忍!」。

疑問があるときは「押忍???」、

戸惑いの時は「押忍…押忍?…オース…」

まあ、押忍、のあと普通に日本語は使いますが

基本、全て押忍!

年に一度合宿があるのですが、ウチの道場は

師範の地元の徳島で行います。

ある時、どうしても仕事の都合で初日に参加出来ず、

遅れてヘリで徳島に行ったことがあります。

その後、日程を消化して、また帰る時のことです。

ずーっと、「押忍」しか言わない生活してると、相手が

誰であれ「押忍」しか言わなくなってしまっています。

徳島空港でフライトプランを提出した時、係官から

「えーと、到着地は名古屋空港ですね?」に

「押忍!」…

「乗員一名で?」

「押忍!」…

「レーダーサービス受けられますか?」

「押忍!」…

何も突っ込まれませんので気がつかないんです。

で、離陸。

徳島の管制塔に離陸許可を求めたところ、

ちょっと空港内が忙しかったみたいで

「スタンバイ(待機)」と指示されました。

それにも返事は「押忍!スタンバイ」

当然管制は突っ込んでくれません。

離陸許可を受けて離陸すると、

「Report Leaving Control Zone(管制圏をでたら

報告して下さい)」の指示がありますが

「押忍!Report Leaving Control Zone」ってところで

自分が押忍、押忍言ってる事に気付きました。

途端に恥ずかしくなり、逃げるように飛んで去りました。

押忍とは押して忍ぶ、つまり「自我を抑え我慢する」

という意味があるそうですが、その恥ずかしさはとても

我慢出来ませんでした。


自衛隊のレンジャー隊員は、返事は全て「レンジャー!」

だそうですが、多分僕と同じ経験をしたことがある人、多いと

思います。


まあ、それを恥ずかしく思う段階で修行が足りない

証拠かもしれませんけど…

恥ずかしいものは、やっぱ恥ずかしいですよ汗