11/8水曜日の午後からは、トランスジェンダーや百合の世界などを簡素な筆致で描き出す、志村貴子先生の原画展を観てきました。残念ながら、すでに東京展の会期は終了しています。
西武ギャラリーに来たのは久々で、2013年の秋に開催された吾妻ひでお先生の原画展以来です。
この展覧会は、1997年に本格的にデビューされた志村貴子先生の20周年を記念したイベントで、ほぼ全作品から選りすぐりの原画が展示されています。中でも水彩画の淡いほのかな色合いの変化は言葉では伝えにくく、原画ならではの繊細な美しさは際立っています。
来場特典として、日替わりで配布されるポストカード。7日目は↘︎でした。
展覧会に先駆けて、ユリイカで特集が組まれました。執筆陣も豪華でファンは必携です。この表紙の原画も展示されています。
展示はまず、オリジナルの漫画作品のカラーページの原画を中心に生原稿などが並んでいます。これが全展示の8割くらいを占めています。発表の年代順に展開しますが、初めからほとんど現在の絵柄は完成されていたのですね(それ以前に別名義でエロ漫画を描いていたりはしましたが)。
代表作の1つ『放浪息子』。
男の子になりたい女の子と、女の子になりたい男の子の成長物語。小学生から高校生までを描いています。アニメ化されています。
こちらもアニメ化もされた代表作の『青い花』。女子高校を舞台に展開する、女の子どうしの気持ちを描いています。自分はBLは苦手なのですが、百合はOKです。高校生の頃に観た『セーラー服 百合族』シリーズ3部作(当時にっかつロマンポルノの看板女優だった山本奈津子さんと小田かおるさんの共演)の影響は大きいです(^_^;)
その他の完結した作品、連載中の作品も短編以外はほぼ網羅されています。
現在連載中の『淡島百景』は完成稿とネームが併せて展示されており、制作段階でどのように変化したかを比較できるようになっています。
このネームは図録にも綴じ込みで収録されています。
少ないセリフまわしで物語が展開していくのは、あだち充先生の一連の作品を彷彿とさせます。
漫画作品の次は、本の挿絵や表紙などを飾ったイラストです。あっ、あの本だ、と実際に手に取ったことがある作品がいくつもありました。
今回のメインビジュアルの原画は、その制作過程の映像が上映されていました。
描線はGペン、水彩の色付けも手際よく、あれよあれよという間に仕上がっていきます。口半開きで見入ってしまいました(^_^;)
次のコーナーにはお気に入りのキャラクター投票と、志村先生の開催初日からの日々のメッセージカードが。
また、仕事の道具や今回グッズ販売されている日めくりカレンダーの原画などもショーケースに展示されていました。
そのあとはキャラクターデザインを担当したアニメーション作品、そしてtwitterで募集したリクエストに応じて描いた諸々のイラストが並びます。
見応えたっぷりの展覧会でした。
原画展を見るといつも思うのですが、印刷物では絶対に味わえない生きいきとした描線は、その一本一本から作者の気持ちが伝わってきて、漫画作品の素晴らしさを感じることができます。
漫画に対して否定的な考えを持っている方にこそ原画を見てほしいと思います。
展覧会の図録も充実しています。原画の素晴らしさにはかないませんが、志村先生の画業を俯瞰するにはもってこいの1冊です。まだ読んでいない作品を手に取るきっかけになるかもしれません。
グッズも充実しており、ついついあれこれ買ってしまいました。可愛らしいトートバッグ、書き下ろしの2018年用日めくりカレンダー(これ、すごいです!)、メインビジュアルのクリアファイルはこの日に売り切れてしまったようで、ギリギリで購入。
今後は年末年始にかけて福岡展開催がアナウンスされています。東京展より規模は小さいようですが入場無料ですので、お近くの方はいかがでしょうか?














