絵本にまつわる展覧会①ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』@Gallery A4 | cookieの雑記帳

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興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

8月9日、関東地方はこの夏いちばんの暑さとなりました。
梅雨の続きのようなジメジメな天気や台風などが続いていたので、ようやく夏本番という感じでした。

当直明けの午前中の仕事を片づけ、午後の代休を利用して美術展に繰り出しました。
子どもたちは夏休みなので、その辺りを狙った催しがあちこちで行われています。
子ども向けというわけではありませんが、まずは絵本にまつわる展覧会。本日が最終日となる「ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』」展に。
東京メトロ東西線の東陽町駅から徒歩ですぐのところにある、竹中工務店東京本店の一階にあるGallery A4(ギャラリー エークワッド)で開催されています。
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建物の正面入口から入ってすぐ右手がギャラリーです。
最終日とあって、平日にもかかわらずそこそこの混雑でした。
親子連れもいましたが、意外とオトナが多い印象でした。自分もそうですが、いい歳をしたオヤジが単身で来場していたり、年齢性別を問わない展覧会だと思います。
入場無料、会場は撮影可でした。
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アメリカの絵本作家であるヴァージニア・リー・バートンは1909年マサチューセッツ州生まれ。デザイナーの仕事をしたり、ダンスをしたり、もちろん絵本を描いたり、マルチな才能を発揮し、世界中から高い評価を得ましたが、1968年に59歳で亡くなりました。まだまだ活躍できる年齢でしたが、太く生きた生涯だと思います。

絵本に関しては、作品そのものが多くはありません。代表作は展覧会のタイトルにもなっている『ちいさいおうち』や『せいめいのれきし』でしょう。私が子どもの頃にはすでに日本でも刊行されていたので、本がボロボロになるまで繰り返し読みました。こういうステキな本を何気なく買い与えてくれた親に感謝ですね。

会場はさほど広くなく、所狭しと展示が並んでおり、入口近くにデザイナーとしての仕事が、また奥に向かって絵本の仕事が配置されています。
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手書きの会場案内もいいですね。


入ってすぐの壁沿いには、バートンの生涯と作品の紹介、そしてバートンのデザイン・スクールであるフォリーコーブ・デザイナーズの見本帳が並びます。
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バートンが暮らした、ボストンの北東にあるケープアンの海沿いの小屋です。
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絵本に関するコーナーは、1作目の『いたずら きかんしゃ ちゅうちゅう』をはじめ、『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』『はだかの王さま』『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』『ロビンフッドの歌』など、それぞれ小さなコーナーに分かれて展示されています。
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『ちいさいおうち』も原画がまとめて展示されており、会場のいちばん奥には、あるべき場所におさまった「ちいさいおうち」の模型も展示されていました。
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1942年刊行のこの本は著者4冊目の絵本になります。日本では1954年に石井桃子さんの訳で出版されました。↓は現在の普及版です。
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戦後の復興と高度経済成長の波に飲まれた日本はまさにこの絵本のような状況でしたので、より多くの共感を得たのかもしれませんね。

バートン最後の絵本である『せいめいのれきし』(1962)も約半世紀にわたって読み継がれてきた定番の絵本(写真左)で、二年くらい前に新しい知見を盛り込んだ改訂版(写真右)が刊行されました。名著です。
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展覧会のサブテキストも発行されていました。通常の図録のように展示作品を収録するのではなく、寄稿やインタビュー、作品世界の背景などの解説が掲載されています。バートンに関することをより深く知ることができます。
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残念ながら展覧会は終わってしまいましたが、9月16日から宮崎・木城えほんの郷で「ヴァージニア・リー・バートンの仕事展」として巡回します。
東京からはちょっと遠いですが(^_^;)

この後は絵本繋がりで、今日が初日の『おさるのジョージ』展に。会場のある銀座までは地下鉄の日本橋乗り換えですぐです。