山花典之先生、デビュー30年です | cookieの雑記帳

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興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

まんが職人の山花典之先生が、この4月でデビュー30年とのこと。おめでとうございます。
もう30年も経つのだなぁというのが率直な感想です。
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初めての連載作品、『CHI・GU・HA・GU』は、私が受験生時代に読んでいたので、本当に懐かしいです。まだ山崎花子名義の頃です。
長らくヤングジャンプやビジネスジャンプに連載を持っており、いくつものヒット作がありましたが、その後集英社からは離れ、webコミックを連載したあとは、イラストやコミックの原作など、活動の幅を広げながら、マイペースで仕事をされています。
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振り返ってみれば、なんだかんだずっと作品を読んでいますね。
クリスチャンである山花先生の作品は基本的にハートフルなものが多いです。こういった世界観が苦手な人には向かないかもしれませんが、自分にはドンピシャでした。個人的にはファミリーものが好きです。

これまでに刊行された作品をさらってみます。
⚪️『CHI・GU・HA・GU』(1987-90)
⚪️『かるてっと』(1990-91)
山崎花子名義の2作品。週刊ヤングジャンプに月一連載で始まった『CHI・GU・HA・GU』。当時の青年誌はかなり内容が過激になってきており、少し後には成人コミック指定など規制が厳しくなりました。
そんな中でソフトに高校生の恋愛を描いたこの作品はやや地味な印象がありましたが、比較的ど真ん中な作品でした。次の掲載が待ち遠しかったですね。
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『かるてっと』はファミリーもので、初めての週刊連載。再婚できょうだいになった、双方の連れ子が絆を深めていくストーリーです。恋愛要素が絡みますが、こちらも地味な内容のため、長続きしませんでした。いい話なんですけどね。全3巻それぞれの巻末に短編が収録されています。『朝刊』(デビュー作です)『今日のおべんとなんだろな』『夏色の想い出』

⚪️『E・KU・BO!』(1991-92)
⚪️『GLASS AGE』(1992-93)
HANAKO名義の2作品。なかなか連載が長く続かず、模索していた時期の作品だと思います。絵柄も少し変わって、新しいテーマで臨んでいますが、やはりヒットには結びつきませんでした。
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⚪️『夢で逢えたら』(1994-99)
作品の発表の場をビジネスジャンプに移して描いた、冴えないサラリーマンのマスオくんが一目惚れした渚さんのために頑張る姿は多くの共感を呼び、単行本17巻にも及ぶ大ヒットとなりました。
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アニメ化されたり、ドラマCDが発売されるなど、大きな盛り上がりを見せました。
この作品の途中でペンネームがHANAKOから現在の山花典之に変わりました。
現在は全8巻の文庫本にもなっています。セレクトしてコンビニ本にもなりました(4冊に纏められちゃってますけど)。

⚪️『妹』(1996-99)
⚪️『妹ーあかね』(2000-03)
はじめはヤングジャンプ増刊の漫革に、『夢で逢えたら』と並行して描き始めた『妹』。ダメな兄貴が血の繋がらない不良の妹を守るために奮闘する姿が妹を更生させていくというストーリー。
『夢で逢えたら』の連載終了後、リニューアルしてヤングジャンプ本誌に連載が始まり、タイトルも『妹ーあかね』に変わりました。
前半は『妹』を踏襲した内容でしたが、後半(単行本の8巻から)は路線変更し兄妹のラブストーリーになりました(^_^;)エロ成分多めになり、人気を集めてこれも長期連載になりました。
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路線変更時に発売された特集号。書き下ろしの短編と、『妹』からの流れがわかるようにセレクトした話が収録されています。
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⚪️『天使のルージュ』(2004)
⚪️『ひみつのルージュ』(2004)
『妹ーあかね』のヒットが後押ししたのか、引き続きヤングジャンプで『天使のルージュ』の連載が始まりましたがあまり人気が出なかったのか、突然中止になり、リニューアルして『ひみつのルージュ』として出直しましたが、これも続かず打ち切りとなりました。
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⚪️『オレンジ屋根の小さな家』(2005-07)
再び発表の舞台をビジネスジャンプに移して描いた、『かるてっと』以来の本格的なファミリーものです。冴えない男性がステキな女性とめぐり合うことによって、大きな存在になっていくという、これまで山花先生が繰り返し描いてきたテーマに家族愛を絡めた作品です。大好きです。
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⚪️『ノエルの気持ち』(2007-09)
フィギュアスケートをテーマに、血の繋がらない兄妹の恋愛を絡めた山花先生らしい作品です。ちょうど女子フィギュアが盛り上がっていた時期のタイムリーな連載でした。
最後がちょっと駆け足かな。
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⚪️『愛しのマリー』(2010-13)
集英社の漫画雑誌を離れ、NTT DoCoMoのエブリスタでWeb配信された連載です。長期連載となり完結しましたが、紙の本は売れなかったのか、1巻だけで中断した状態です。
現在は配信も終了しているので、全編の単行本化が待たれます。どこか出版してくれないでしょうか?
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⚪️『神様がくれた風景』(2013)
初めてのイラスト+エッセイ+巻末まんがです。クリスチャンとしての山花先生が語る、暖かな世界です。
久米小百合さん(元・久保田早紀さん)との対談がYouTubeにアップされています。
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⚪️『ボクとユメと美味しいパン』(2014)
現在連載中の『聖樹のパン』につながる作品です。単行本には収録されていないので、今はちょっと読むのが難しいですが、『聖樹のパン』が完結する時に一緒に入ると嬉しいですね。
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⚪️『聖樹のパン』(2015- )
コミックガンガンに連載中です。今回は原作者としての作品。山花先生の世界観を期待どおりに描くたかはし慶行先生の絵がまた素敵です。
私もパン好きなので、楽しく読ませていただいてます。
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『聖樹のパン』をはじめ、集英社の作品の多くは電子書籍化されています。
しかし数年前まで山花作品は放置されており、ご自身が立ち上げた「スタジオ白い風船」から集英社了解のもと『CHI・GU・HA・GU』(連載時の2色カラー復活!)、『かるてっと』、『夢で逢えたら』(全巻表紙書き下ろし!)、『オレンジ屋根の小さな家』、『ノエルの気持ち』が電子書籍になりました。
しかしその後、採算が取れそうな作品だけ集英社が採り上げたため、『夢で逢えたら』以降の作品は集英社版に戻り、せっかくの書き下ろしの表紙はお蔵入りになってしまいました。残念。


これからも、心温まる、優しい気持ちになれる作品を期待しております。
30周年の個展、楽しみに待ってます。

写真など、ネット上からお借りしているものあります。すみません。