女優・笹森礼子さんをご存知ですか? | cookieの雑記帳

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興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

前回に続き映画の話です。

1960年にスクリーンデビューし、わずか5年の活動で引退された、日活の女優さんである笹森礼子さん。
私が生まれた時にはすでに銀幕の世界にはおらず、もちろんリアルタイムでの活動は知る由もありませんが、その後彼女の出演作を観てその容姿とキュートな演技に魅きつけられました。
個人的にはこの時代の女優さんの中ではイチ押しです。
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当時の女優さんとしては、20歳でのスクリーンデビューは遅いほうではないかと思います。共演もあった吉永小百合さん(写真右から2番目)のちょっと上の世代になりますね(ご本人は左から2番目です)。
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似ていると言われる先輩の浅丘ルリ子さん(写真左から3番目)とは実は同い年です。そんなに似ていないと思いますが。

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日活でのデビュー作は↑『お嬢さんの散歩道』で、主演です(写真はお嬢さん役の松尾嘉代さんと)。内容はたわいもないですが、お手伝いさん役の彼女の溌剌とした魅力が満載です。日活の専属になる前は、成瀬巳喜男監督の『娘・妻・母』などにも出演されていました。
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目が大きくぱっちりとした、可愛らしい顔立ちで、5年間に約60本の作品に出演するなど、たいへん活躍されましたが、ご結婚にあわせて引退してから、半世紀以上がたち、語られることも少なくなっているのではないかと思われます。

日活での代表作は何と言っても、早逝のスター・赤木圭一郎さんの相手役をつとめた『拳銃無頼帖』シリーズ(第3、4作に出演)でしょう。
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他にもこのコンビでの作品はたくさんあります。赤木さんが長く活躍されていたら、笹森さんの女優人生も、きっと違ったものになっていたでしょう。

そういえば先日亡くなられた鈴木清順監督の作品『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』にも出演されています。宍戸錠さんの相手役です。監督も若い!
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鈴木清順監督は後にインタビュー(『清/順/映/画』所収)で、「だってこの人はだいたい引っ込み型の人じゃないですか、日活の女優さんの中ではね。甘ったるく暗いという感じの人ですよね   」と語っています。そうなのかなぁ?
でも、当時の関係者による笹森評ってあまり見かけることがないので貴重です。

宍戸錠さんとは↓『早撃ち野郎』などでも共演しています。
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近年では2015年にラピュタ阿佐ヶ谷で、彼女の特集が組まれました。こういう機会が増えるといいですね。
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歌手としての活動も少しありましたが、現在ではほとんど耳にすることはありません。日活映画スターのコンピレーションアルバムに3曲が収録されていますが、その他は数曲あるのみのようです(この記事で詳しく触れられています)。
どこかで音源をまとめてくれないですかね。
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2014年、日活100年をテーマにした朝日新聞の連載記事で、赤木圭一郎さんの回(2月2日付の朝刊)に笹森さんのコメントがご本人の写真とともに掲載されました。引退後、長きにわたってご様子がさっぱり伝わってこなかったので、待ち人に何十年ぶりかで不意に出会ったような驚きと嬉しさを感じました。
↓の写真は同じ2014年の「木村威夫先生を偲ぶ会」での笹森さん。(twitterより)
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お元気そうでなによりです。
1940年生まれですので、今年喜寿なのですね。
また何かの機会に、女優時代のことをあれこれ語って下さると嬉しいです。

追記
新聞の切り抜きが出てきたので。
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