ショートストーリー(忘れられたもの) | くっきいの目からウロコの、ほのぼの日記

ショートストーリー(忘れられたもの)

(この物語はフィクションであり登場人物などは実在いたしません。)


(前回までのあらすじ)
東京で一人暮らしをしている博の母が初めて上京し、博は慣れないながらも東京タワーに母を連れ出す。母を無事に東京タワーに連れて行けたという安堵感からか、不覚にも母を都内に忘れてきて
しまう。


(以下、本編)

博は忘れてしまった母さんを捜しに、1年ぶりに東京タワーへ来ていた。
その日の東京タワーは、連休という事もあって大変混雑していた。


1番てっぺんの展望台から捜し回るが、人がごったがえしていて、捜すだけでも大変だった。


1時間程、捜し続けた博は喉が渇いてしまい、売店で飲み物を買おうとした
その時。


(博)
すいません、お茶を・・
か、母さん?
母さんなの?
あれから、ずっと東京タワーの売店で働いていたんだ。良かった、見つかって。


(母さん)
・・・


(博)
母さん、僕だよ、博だよ。


(母さん)
・・・?


母さんは博の事を忘れていた。
本当に忘れられていたのは、実は博の方だった。