少し前の話
バレンタインのデートだったかな
彼の家から30分ぐらいの場所にある
地元ではちょっと有名な
行列のできる店に連れて行ってもらった
食事も済んで
次はどこに行こうかと車の中で話していた時
つい冗談で
じゃぁ~~
あなたの家でコーヒーでもご馳走になろうかな( ´艸`)
と、
ふざけて言ってみた
彼はええっと絶句しながらも笑っていた
・・・と思ったら
急に笑うのやめて
じゃあ行ってみる?
と、ニコッと笑いながら答えた
うそうそっ!冗談だってば
・・と、慌てて首を降る私に構わず
彼はすでに車を走らせていた
マジで?(°д°;)
と、呆然としながらも
まだ、からかわれてるんじゃないかと
半信半疑で
どんな顏をしていいかわからない状態の
私をよそに
車はどんどん走り
この時間なら誰もおらんやろー
せっかく近くまで来たし
見て行けばええやろ
でもコーヒーはないかもしれんで
なんて呑気に言い放つ彼
ううう
なんであんなこと言ってしまったんだろう・・(;´Д`)
・・と
激しく後悔したが
かなり楽しそうな彼の様子を見て
こんなに自信満々なら
たぶん、ホントに
大丈夫なんだろう
車の中からこっそり見るだけなら
平気・・かなぁ・・・?
と、少しでも隠れようと
助手席のシートに沈み込むようにして
縮こまっていた
あと少しやで
このコンビニはいつも寄る店や
と、いちいち説明してくれる彼の声も
ろくに耳に入って来ず
彼の家が近付くに連れて
どんどん息が苦しくなっていく
やがて車は
坂道を上って住宅地に入り
右に左に
曲がり始めた
さすがに彼も緊張して来たのか
少し口数が少なくなって来て
もう、すぐなんだな
・・と悟る
この時間帯
家族はいないってわかってても
万が一近所の人に見られたら?
助手席に、ヘンな(汗)女を
乗せて走ってるとこを
目撃されたら??
・・と思うと
喉になにかつかえたようになり
冷や汗がタラタラ流れた
彼の家は
坂を上り切った
一番はずれに建っていた
着いたで
と言うと同時に
彼がエンジンを停めると
車の中はシーンと静かになって
私の心臓の音がドキドキ聞こえるんじゃ
ないかとさえ思った
彼が説明してくれる
あの玄関入ってすぐ左に階段があって
二階の角に見える出窓あるのが
俺の部屋
その奥が娘の部屋
彼に言われて
極限まで低くした身体の
首だけをそろそろ伸ばすようにして
彼の言ったあたりを見る
白い壁の、二階建ての
よくあるタイプの一軒家だった
でも、
この家に
毎日彼は帰って来て
あの部屋のベッドから
私にメールを
送ってるんだなぁ・・
って考えると
なんだかすさまじい違和感に襲われた
あの家の中には
私の知らない空間があって
私の知らない彼が
私の知らない顔を
知らない人たちに見せているんだ
私の知らない服
私の知らない家具に囲まれて
私の知らない話題で
笑ったり
喋ったり
怒ったり・・
いま、私の隣にいる
この人が・・・
私が複雑な気持ちになってるのにも
気づかず
彼がまた、唐突に言った
ちょっと上がってみる?
・・・・・はっ
はああああ?ヽ((◎д◎ ))ゝ
彼の言葉の意味を理解するのに
数秒かかった
だっダメだよそんなの(@_@)
誰もおらんで
そっ、そういう問題じゃなくて
そっ、それに
近所の人に見られても困るし
(・・ホントにこんなふうにどもった)
この時間なら
近所の人もおらんて
だっ、でっ
でもっ!
あなたの車が停まってたら
誰かが見るかも知れないじゃない
なんか、過去にドラマか映画で
見たことあるような場面が
脳裏にフラッシュバックする
旦那が見知らぬ女を
家に連れ込んでいる現場に
奥さんが忘れ物をして
家に戻って来て
修羅場になる( ̄Д ̄;;
・・そんな話
そう、
亭主が女を連れ込んだら
そこに、ありえない偶然で
しかし、100%の確率で
女房が帰ってくるのは
お約束ヽ(;´ω`)ノ
いままで、何度となく
見たような、よくある話・・・
ドラマによくある風景だけど
私は今まで
なんで、ドラマの旦那は
他所の女を家に連れ込むのか??
って全く理解できなかった
それって
うん、フィクションだからだよね??
そう思ってた
でも、それが現に今
自分の身に起ころうとしてる衝撃
ありえーん!。(;°皿°)
やだ!
ぜったいダメ
それだけは・・
せっかく来たのに?
玄関上がって他の部屋に行かずに
すぐに2階に上がれるで
・・・・二階に上がって
どうするの?
俺の部屋で
ギター聞かせようか
ベッドで
チューぐらいできるやろ
ダメー!!!
できない
もういいよ
家見せてもらっただけで
もう充分
降りる気満々で
車のドアに手をかけていた
彼の手にしがみつくようにして止めて
なんとか、彼に
思いとどまらせ
諦めてもらった
車を出してなお
しばらくは
残念そうにしていた彼だけど
思いついて、
じゃあ、・・と
海岸の方に
連れて行ってくれた
酷寒の白い波が立つ
冬の日本海を眺めながら
やっと
ドキドキが治まって
ホッとした
あいかわらず
キスしたかったなあ
・・なんて言ってる彼を内心
変な人・・( ̄ー ̄;
・・と思いながら
でも
彼が変な人なのか
それとも、私が変なのか?
なんか、急にわからなくなって
頭がこんがらがった
“それだけは しちゃいけない”
って思ってしまっのは
なぜだろう・・
彼が、他人だってことを
思い知るのが嫌だったから?
留守中に上がり込んだりしたら
奥さんや家族に申し訳ないから?
いや。そもそも、彼と婚外してる時点で
アウトじゃないのか?
それ以上ダメなことってあるのか?ヽ(;´ω`)ノ
・・なんてね
だけど
もし、
知らない間に
私の旦那が
知人を家に上げていたら
きっと、私は
嫌な気がすると思う
まして、それが
女だったとしたら・・・
それがごく普通の
知り合いだったとしても
やっぱり嫌だな
家って
女にとって
思い入れの深い場所だから・・
でも、
男は、そんなことに
気付いていないんだろうか
奥さんって存在は
家の中の、空気と同じように
男にとっては
無色透明な存在なんだろうか・・・
これで、もう、りるら一人でも
俺の家に来られるなあ
・・という
彼の声を聞いて
ハッと我にかえった
私、意識して回りの景色を
見ないようにしてた
彼の家までの
道順なんか
覚えたくなかったし
知りたくもなかった
ちょっと好奇心を出して
家は見ちゃったけど
もう、おなかいっぱい
この先、何があっても
もしも、彼と
会えなくなる日が来ても・・
私1人であそこに行く事は
絶対にないって言い切れる
それだけは絶対に・・
うん、これだけはホントに
絶対に、って言い切れる・・かなヽ(;´ω`)ノ