朝9時過ぎに
インターの近くで待ち合わせて
彼の車に乗り込むと
彼はもう、
持って来てたカジュアルな服に
着替えて待っていた
後部座席のボストンの中には
きっと、朝
家を出る時に来てた
カッターシャツと
スラックスが
入ってるね
おはよう
って、
いつも通りの
クシャッとした笑顔で
迎えてくれる彼と
軽くキスして
彼が車を出すのを
助手席から見守る
と、すぐに
彼は
ETCカードを
抜き取って
サンバイザーの裏にしまった
無言でじっと見てた
私の視線に気がつくと
ETC使うと
クレジットの明細に
載っちゃうからな
・・・と
聞きもしないのに
言い訳めいたことを言って
照れ笑いした
うん
あなたは
私が負担に思わないように
何にも言わず
いつもフットワーク軽く
会いに来てくれるけど
そのために、私の知らないとこでは
ちゃんと苦労してるんだよね
いつでも
泊まりのデートが
簡単にできる人・・なんて訳じゃ
ないんだよね
あたりまえな事だけど。
誰にも言えない関係を
維持するためには
地道な努力が
必要だって事だね
それだけ用心しなきゃいけない
恐ろしいことをしてるんだよね
私たちは。
そんなことを考えるとき
いつも
胸の奥が
チリチリする
でも
少しでもナーバスな顏をしたら
彼が気にするだろう
高速の入り口で
窓を開けて
チケットを受け取った彼に
ニッコリ笑って
全然気にしてない風を装った
きっと今から
楽しいことばっかりの
2日間になるだろう
今は
ただ旅行のことだけ考えよう
話題を振って
無理矢理
頭を切り替える
またひとつ
隠し事が増えていく
そんな
後ろめたい気持ちを
ギュウギュウと
心の隅に
押しやって
閉じ込めて鍵をかける
そんな秘密の箱が
いくつも
自分の中にあることを
いつだって
気がつかない振りをしてるんだよ