去年の今頃

彼と、海辺をドライブしてて



小さな公園で
たまたまやってた
地元商店や農産物のお祭りに
立ち寄ったことがあった




何の予備知識もなく

海辺の公園に
人がいっぱいいて
のぼり旗が沢山立ってるのを見て



お、なんかやってるね



って感じで
フラッと寄ってみたんだけど


サザエやフグの炭火焼や
海産物、農産物の格安即売とか


思いがけず楽しくて
結構長居してしまったのだった



雲ひとつない晴天の
日曜日

地元の人達でにぎわう
催事場で

顔見知りに会う心配もなく
2人で買い食いして・・・


俺たちって

仲のいい夫婦に
見えるやろか




・・・なんて彼がささやいて
ドキッとしたりした




なかでも
印象に残っているのが

なぜか
アイスコーヒー



たぶん、近くの
喫茶店のマスターなんだろうな

・・って感じの
無口なオヤジさんが


テントの下で

催事には不釣り合いな

1杯ずつしか湧かせないサイフォンや

水だし用のバカでかい
コーヒードリッパーなんかを並べて


汗だくになって
コーヒーを入れてたの




注文もらっても
イベント用の大きな器具じゃないから
すぐには出せなくて


私たちが聞いた時点で

6~7人待ちだった




それでも、

透明なプラスティックのコップに入った
かちわり氷が
みるからに冷たそうで

迷わず2人分注文



注文を受けても

愛想よくするでもなく

(どっちかというと
迷惑だったような・・)


むっすりと黙々と
コーヒーを入れているオヤジさんを

少し離れたテントの下で
ベンチに並んで腰掛け

潮風に吹かれながら




彼と2人

あの人は
どういう人なんだろう

と、
あれこれ想像した





きっと、昔風の
古びた喫茶店のマスターなんだよ


昼までもうす暗い店で
冷房がビンビンに効いててさ


ぽっかり切り取られたような窓から


真っ青な空と海が
見渡せるの





いやいや

温泉旅館の地下にあって

夜しか営業しとらん店ちゃうか



長いこと、太陽の下に
出たことないような顔しとるで




どっちにしても
イベントに
進んで出店してる感じじゃないよね




ぎこちないちゅうか
不慣れやしな



一杯入れるのに
10分かかってたら

商売にならないよね



でも、
まつりの主催者から

頼まれて
出店しとるんやろか





・・・な~~んて


暑さにボーッとしながら

勝手なこと
言いまくってたら


オヤジさんが

銀色のトレーに
アイスコーヒーを2つ乗せて


こっちに向かって来た





2杯で500円



という

片田舎の屋外イベントにしては
少々お高めの
代金を払って


コーヒーを飲んだ





う・・うまあぁああああい!!!




・・・・なんか

衝撃的な美味しさ



2人で、
思わず顔を見合わせちゃうほど

美味しいアイスコーヒーだった




コーヒーが大好きな私でも

初めて飲んだ!

・・って思うくらい

美味しい
アイスコーヒーだったの




以来、
彼との間で



何度か、あの海辺の町のイベントと

アイスコーヒーのことが
話題になった

(彼は、“レイコー”って言うけど・・・)


また、あのおまつりに
行ってみたいね


で、
アイスコーヒー飲みたいね・・
って





4、5日前

彼のメールで



りるら、

あのイベント



今月やで!



行くかあ
◯◯まつり!





・・・って

彼は、今年の開催日を逃すまいと
ネットでかかさず
チェックしていたらしい




でも、
今月のその日は


彼の道場の
奉仕作業の日だったはず・・


そう確かめてみると



うん

だから、
昼過ぎからなら
行けるかな、って思ってな






でも、
あのお祭りがあった
海辺の町って


彼の住んでる県でも
かなりはずれのほうにある



去年も、
一日ドライブして
すっごい疲れた記憶があるもんね



で、

あそこまで
昼過ぎから行くのは
ちょっと遠すぎない?


用事があるなら
そっちを優先させてね


私たち、来年も再来年も
一緒なら

いつかきっとまた行けるよ





・・って返信した




彼のほうも


う~~ん

やっぱ、奉仕作業行かな
あかんかあ・・


残念だけど



そうやな

またいつか
行けるな





私もちょっと
残念だったけど


仕方ないよ


私のせいで

彼の今までの付き合いや
人間関係に

支障が生じたら
嫌だもん




・・・って

話はそれで終わったと思ってた




そしたら
昨日になって



ねえりるら

◯◯まつりの日

りるらは出てこられるのかな

やっぱり行きたいな
アイスコーヒー飲みに


もしりるらが
その日空いてるなら


行こう

◯◯まつり





・・・


この、押しの強さに

滅法ヨワい私・・・ヽ(;´ω`)ノ




予定はないけど・・

奉仕作業さぼるの?

“◯◯先生、このごろ変だ”
って

言われたりしない?



・・って
メールしてしまった


すると・・



平気だよ


仕事だって言うから


じゃあ
行けるんやな


やったあ





・・・


いいのかなあ( ̄ー ̄;


付き合い始めの頃は


道場の予定が最優先だった


だから、

会える日を調整するのが

すごく大変で


2週間や3週間あくのも
普通だった

それで平気だったのに・・



どんどん
どんどん


求め合う気持ちが
強くなってる気がする



会って満たされても


3日もすると
もう、会いたくてたまらなくなる



なんだろ?これ


過去、若い頃にしてた恋愛でも


これほど頻繁に・・
2~3日おきに会ったりしてた
覚えはないのに




この歳になると

先が短いから


生き急ぐかのように

求め合っちゃうんだろうか



彼の中で
私に会う、ってことの
優先順位が
上がるのは嬉しい



でも、その反面

お互いの存在が
相手の中で
どんどん大きくなってしまっていくことに


なんとなく不安に感じてるのも
本当なんだ


きっと

アイスコーヒーを飲むのが
目的じゃなくて


あの、まつりの
人ごみの中に

もう1度
自分たちを置いてみたい



・・・って

感じてるのかもよ?

私たち