古代のギリシャでは「パトス」という言葉が使われていた。

この「パトス」とは他人との関係で起こる心の変化のことで「情念」と訳される。

古代のギリシャでは「パトス」つまり、他人との関係で起こる心の変化は、自分には原因はなく他人の心が影響して起こるとされていたようだ。アリストテレスの文献を読むと、どうもそういう意味らしい。

古代のギリシャですでに発見されていて、なおかつ一般の大衆にも広まっていたと思われるこの「パトス」は現代では証明不可能として消えてしまった。現代では科学がものを言うからだ。

しかし、統合失調症の原因などを考えるとき、この「パトス」は意味をもつ。たとえ、証明不可能だとしても、「パトス」を経験したことのない人はいないだろうからだ。

現代が発達していて古代より知識も優れているとして、この「パトス」という概念を排除するのは愚かな考えだ。現代の精神医学が古代のギリシャよりも劣っているという可能性もあるのだ。

賢い人は現代だけの知識にとらわれず、昔の知識にも耳を傾けてみる必要があるのではないだろうか。