校舎見学の日
廃墟ビルを目にして、愕然としていた私。
その場から逃げたし、気持ちの整理をしたいと思っていたが、
「11時に先生希望の人の面接だあるんだよ」と言い出すN氏。
「お付き合いしてもいいんですか?」とお願いし、面接に立ち会うことに。
どんな人か尋ねると、
「履歴書もらってないから・・・」と詳しいことはわからないといいつつも
R大学の大学院を出て、海外協力隊として南米に日本語教師として赴任していた人と説明。
名のある団体の長からの推薦との事。
南米に赴任していたとなれば、スペイン語が出来れば、学校にとってもいい人材になると確信~
少し期待して待つことに・・・
そして約束の時間通りに面接のTさんがやってきた。
N氏と違い時間も正確。好印象。
「こんな校舎がこんな状態で驚いたでしょ?」と私が切り出すと
「いえ、改装前だと聞いていたので、もっと荒れていると思いました。」
と、あっさり答える。
肝っ玉も据わっている。と高感度は更にUP!!
早速面接に入るのだが、N氏は面接というより、最初から採用予定で話を進める。
R大学院の話や修士論文を読みたいから提出してと言い出す。
海外協力隊で2年近く教えた経験もあるので、安心して任せられそうな感じ。
おまけにR大学の非常勤としてスペイン語も教えているとの事。
なんて理想の人材と思っていた。
横からちょっと履歴書をのぞくと
資格の欄に「日本語教師養成通信講座」とある!!
「資格に通信とあるんですが・・・」申し訳なさそうに私が言うと
N氏は「通信講座で勉強しているから問題ないでしょ。」と言い出す。
私は慌てて、「ちょっと待ってください。通信では資格にならないんですよ。」
この時までN氏は日本語教師の資格のきちんと把握していなかった。
この人マジでヤバイと思い、不安が増す

すると「教師の資格がないなら、じゃ、生活指導はどう?」と話を切り替える。
「本当は生活指導も教師の資格がないといけないんだけど・・・」と言い出す。
いや、生活指導は資格問わず何に・・・
本当に何も知らないな、この人と。勝手なことばかり言ってと苛立ちを覚えた。
N氏の前には困惑気味なTさん。
一般向けの講座や日本人向けのスペイン語講座を任せるから、
審査機関の申請には生活指導や入管業務担当ということで話は進む。
Tさんは、今の仕事の関係ですぐには答えは出せないと言って迷っている状態。
N氏は一般の講師の給与より待遇も良くすると勝手なことを抜かしている。
すぐに答えは出ず、2月いっぱい考えるということで面接は終了!!
その日、
近くで国際交流フェスティバルをやっているということで見学に。
学校から徒歩5分の場所で開催されており、
様々な国の料理や小物を販売している。
ステージでは子供たちが民族衣装のコンテストで会場を盛り上げている。
「来年は私たちも学生を使ってお店を出そう」
とのんきなことを言うN氏。
南米のお店も出店していてTさんの知り合いも。
Tさんとはそこで別れ、N氏と二人で散策。
私の地元だけあって、知り合いに遭遇。久しぶりに会ったので話がはずむ。
気づけばN氏が見当たらない。
探したが、みつからない。
もしかしたら学校にいるのではと、仕方なく一人で学校へ戻ることに。
のん気にパソコンにでも向かっているのでは、
なんて期待していたが、戻ってみると
なんと、
電気も消され、頑丈にロックされていた・・・
N氏の車もなくなっている。
ガーン
荷物も中にあるのに・・・
N氏は携帯電話を忘れたと言っていたし、連絡が取れない
貴重品だけは持っていたので、仕方なく荷物を置きざりにして家路へ・・・
かなり幸先不安に感じた半日であった。