久しぶりのN氏登場です。
 
2月に入り、退職まで残りわずかになったころ。
前々からお願いしていた念願の校舎見学へ~
 
何度もお願いしているのに、N氏は常に「ん~」という嫌そうな態度
次働く職場を目で確かめたい気持ちは当たり前、
どうにか約束を取り付け、いざ見学!!
 
地元の人間なので、住所で大体の位置は把握しているが、学校になりそうな建物があったかなぁ、と疑問も・・・
 
見学約束の1週間ほど前に、その日に面接が入ったので、変更してほしいと連絡が・・・
なにやら、早稲田大学卒業の優秀な人らしい。
先生の採用なら、自分も面接に立ち合いたいし、せっかくの学校見学を逃すのもやいだったので、
 
 
「面接お付き合いしてもいいですか?」とお願いした。
 
 
最初は空港に迎えに行くから、どうのこうのと、うだうだ言うので、
お迎えも運転手もしますと、無理やり面接に立ち合わせてもらう約束を・・・
 
しかし、前日になって、面接は今日になったからと言い出す。
おいおい、今日は仕事でいけないよと不満に思ったが、学校見学は大丈夫との事だったので、納得し、待ち合わせの場所と時間を確認。
 
約束当日、
近くのコンビニに10時の約束だった。
しかし、10時をまわっても一向に現れる気配がない。
 
携帯に電話をするが、つながらない。
 
どうしようと、思いながら、学校らしき建物を探すことに・・・
前もってもらった住所の場所には居酒屋がカラオケの看板がかかっているビルが・・・
 
ここか、思い中を覗いてみると、
N氏がパソコンの前に座っている。
 
 
おいおい、寒い中、人を待たせておいて~
 
怒りの心を鎮め、中へ
「よくわかったね。ここ」と能天気な答えがN氏から。
「携帯に電話したのですが・・・」と私。
「あ、わすれてきちゃった。ははは」
この人に怒っても無駄だと落胆した。
 
中に入ると、そこは完全に居酒屋さん
カウンターに、テーブル。おまけに座敷まである。
どう見ても学校には見えない。
その居酒屋の片隅にパソコンを置き、N氏が陣取っている。
 
言葉に出来ないほどあきれてしまった。
リフォームをこれからするとはいっていたが、中身までまだあるとは思ってもいなかった。
 
N氏は図面をみながら、「ここ事務所」と居酒屋の中を指して言う。
私は「はぁ~」と、しか応えられなかった。
教室は3階というので案内されると、そこは見るからにカラオケバーの形跡が・・・
ちょっとした段差の舞台。
大きなスクリーンに、プロジェクター。おしゃれな婉曲の長いカウンター。
隅っこにはDJブースまで。
 
DJブースを指し、「ここ図書室ね」とあっけらかんと言うN氏
中を覗けば、機材やら、ケーブルやらでごちゃごちゃしている。
 
だんだん恐ろしくなってきたが、うまく応えられず、
「いい場所ですね」と心にもないことを言ってしまった。
 
N氏は嬉しそうに
「いやー、最初はどうなるかと思ったけど、計測したら、教室確保できたからさ、よかったよ。昨日の面接の人はここに来るまではすごく良かったんだけど、ここ見たとたん、ちょっと考えさせてくださいと言って帰っちゃった。ははは。」
 
そりゃそうだ。私だって帰りたい。
N氏が学校の見学をためらった理由がなんとなくわかった・・・
 
その後も各階を見学
4階は誰が見ても「カラオケBOX」のまんま。
「学生寮にしようかなと思っているんだけど・・・」
 
おいおい、窓のない部屋に人を閉じ込めるのか!!
と危機感を感じ「ちょっと狭いんじゃないですか?環境も良くないですし・・・」
その場での精一杯の抵抗を。
「そうだね。決めるのはオーナーだからね」
と自分が決めたのではないとという素振りを見せ。
 
 
一通り見学が済み、
「来週からリフォームが始まるから、3月には少しは形になっているよ」とN氏がぶっきら棒に言う。
 
 
そうあってほしい・・・
しかし、本当に大丈夫だろうか?
雑居ビルならず、廃墟ビルだ。不安はつのるばかりであった。