理事長に正式に辞意を伝え、肩の荷が下りた感じになった。
こんなに「辞める」と伝えるのに疲れるとは夢にも思っていなかった・・・
他の職員には辞表提出後に理事長が伝えるということだったので、
とりあえずは、自分の口から言わなくて済むことにホッとしていた。。。
理事長室から事務所に戻ったが、なんだか落ち着かない・・・
校長は授業に行っており、事務所にはいなかった。顔を合わせるのも気まずいので、引継ぎ事項をまとめて、辞表提出した後に報告しようと考えた。
さすがに事務所では辞表は書けないので、自分の業務になんとか集中して、乗り切った。
授業が終わり、校長も事務所に戻ってきたが、引継ぎ事項が優先と何も伝えずにいた。
それがいけなかった・・・


その日は、退社まで他の職員がいたこともあり、お互い自分の業務に集中して、一言も言葉を交わさなかった・・・
午後7時になり、校長が慌てて帰り支度をはじめ、さっと事務所を出ようとしている・・・
その際、目が合い、何か言いたげな表情を残したまま去っていった。
その表情がすごく気になった。
たぶん理事長から情報が入ったのだろう~
明日からまた顔を合わせづらいな~
なんて思っていた。
翌日の金曜日
同じような日課で一日が終わった。
その日も終業時間まで、校長とは会話らしい会話も交わさず過ごした。
引継ぎ事項と授業準備は週末に出勤してまとめようと思い、早めに切り上げようと帰り支度を始め、校長に「お先に失礼します」と告げると・・・
校長:ちょっと、何か言うことがあるんじゃなの?
私:えっ!!
かなり私の体は硬直した・・・
校長:理事長から正式に辞めること聞きました。
私:はい・・・辞表提出したら報告しようと思いまして・・・
校長:2月でやめるというのも聞きました・・・
私:申請の関係で2月で専任は辞めなければならないですが、3月まではやらせてください。他の先生方にも迷惑をかけたくありまんので・・・
校長:迷惑かけるのは仕方ないし、逆にいづらくなるんじゃないの?
私も経験者だから、気持ちはわかるけど、辞めて新地で、心の切り替えも必要よ。
私:でも大丈夫ですか、授業も残ってますし・・・
校長:それは、何とかなりそう・・・ミラクルな時間割ができたから
私:はあ~とりあえず無理そうなら言ってください。3月まではしっかりやりますから・・・
校長はO県の日本語学校数件の立ち上げに尽力した方で、今の学校も立ち上げにかかわり、取締役という肩書きも持っていた。
その校長の言葉に少しは心が揺れた。
しかし、その後の言葉で、私は呆然となった・・・
校長:あと、悪いんだけど、学校の鍵を返してもらえる?
やめる人に持たせるのはまずいので・・・
鍵!?
事務所の鍵は、一部の人しか持っておらず、
朝が早いこともあり、自分は信頼され鍵を預かってきた。
辞意は伝えたといえ、辞めるのに1ヶ月以上ある。
それまでは通常通りの業務はあるのに・・・仕事するなといっているようなものだ。
私:今日ですか?
校長:ええ。
私:あのー、土日に来て、引継ぎ事項と授業準備をしたいと考えていたのですが・・・
校長:それはまずいんじゃない・・・
私:はい(泣)。
体が何故だか震えていたのを覚えている。
もう信用もないらしい・・・
あっけなく、鍵を取り上げられ・・・
ふと我に返り、鍵がないということは授業の準備ができない
校長にお願いし、慌てて授業準備を開始~
30分ほど悪あがきし、二人無言で事務所をあとにした・・・
辞意を伝えたことで、一瞬で信頼をなくしたことに
企業というのはこういうものかなと
悲しくも、憤りも感じた一日でした・・・